この本が出版されると知ったのは、執筆者の一人である選挙ウォッチャーちだい氏の告知によるものである。タイトルでは執筆陣は菅野完氏を代表したのだが、これは本書の後書きを菅野完氏が記していることによる。実際の執筆者は黒猫ドラネコ、山崎リュウキチ、藤倉善郎、選挙ウォッチャーちだい、清義明、古谷経衡、菅野完の計7人である。
出版前から評判を読んでいて、予約段階で二刷に入ったと聞いていた。僕自身、最近の世の中の陰謀論と排外主義の動きについて懸念を持っていたので、購入後、読み始めた。
実際は内容が面白かったのと、昨日の午前中、何もすることがなかったのでこの本を読むことに集中していたら、午前中で読破してしまったのであるが、今年の7月の参議院選挙での参政党の大躍進とか、参議院選挙で本当は争点にされるべきではなかった外国人排斥の動きとか、高市政権誕生後の排外主義の躍進とか、憂慮すべき事態がわずかな期間で進行してしまったことを踏まえ、この本を読むと、いちいち納得してしまう内容であった。
7人による執筆なので、それぞれの得意分野から「陰謀論と排外主義」について触れられているのであるが、普段SNSで感じる違和感をこの本は見事に解き明かしてくれるので、腑に落ちる思いでこの本を読んでしまった。
元々は選挙ウォッチャーちだい氏の記事が読みたくて買った本ではあるが、黒猫ドラネコ氏や古谷経衡氏といった気になる方々も執筆されているので、彼らの指摘は納得するものがあった。
本書のラストを飾るのは菅野完氏であったが、彼の指摘した日本の戦後の在り方の説明は、唖然とはしたが読んで行くうちに納得せざるを得なくなり、菅野完氏の見識ぶりを目にした思いである。
現在の日本の、そして世界の情勢がおかしいと思っている人にはおすすめの本であり、是非とも読破して自分の意識をアップデートすべきであると感じる。

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