スター・トレック:ピカード 第3シーズン第4話「勝ち目のないシナリオ」

あらすじ

シュライクへの攻撃が失敗し、重力井戸の中に落ちていくタイタン。船は大破し、航行することもできず、生命維持装置も2-3時間しか保てず、もはや助かる道はなかった。ライカーはピカードに謝り、残された時間の間に息子であるジャックとの会話をすることを提案する。ピカードもその勧めに応じ、ジャックとの会話をする気になり、ホロデッキに作ったテン・フォワードの中でシャックと交流を行う。その中で少しだけピカードとジャックの距離が縮まったが、テン・フォワードには生命維持装置の機能を限定稼働させていたために行き場を失ったタイタンのクルーたちが集まってきた。そして、そこには負傷したショー艦長もやってきた。ショー艦長がピカードに対して愛想の悪い対応をしていたのは、ボーグが地球侵攻をしていた時にショー艦長の乗船する船がボーグによって破壊され、仲間を残してショー艦長自身が上官の命令で奇跡的に助かっていたためであった。その時のボーグの司令官は、ボーグに同化されたピカードだったのである。その恨みがショー艦長のわだかまりになっていた。ライカーも自分の息子を失った時のショックから立ち直れなかったために、ピカードとこの宇宙行きに来る決意をしていたことを日記に記していて、妻であるディアナとやり直すことを考えていた。その頃、ジャックに襲いかかった可変種がタイタンの航行を妨害していることを知ったセブンは、上官であるライカーやショーに伝えるが、彼らは可変種への対応をするにはセブンが副長の任務から外されたほうが都合がいいと判断し、独自の行動を起こすよう指示する。タイタンに襲いかかり、ジャックの身柄を要求していたヴァーディクは、実は可変種の一人であり、ジャックを確保するためにシュライクを重力井戸の中に移動させる。その頃、ビバリーはある一定の感覚でエネルギー波が重力井戸から出ていることを発見する。どうもそれは重力井戸自体が生命体で、新たな生命を生み出すための陣痛のようだと推測する。その定期的なエネルギー波を使えば、タイタンは重力井戸から脱出できるかも、と提案する。そして、それはピカードの案として、ライカーに対して「仲間の信頼が必要だ」という話から、実行に移すことにる。

感想

前話のラストで絶体絶命の危機に陥ったタイタンと、ピカード、ライカー、ジャック、セブン、ビバリー、ショーといったキャラたちの絶望と希望がきちんと描き切った力作エピソードだと思う。で、ストーリー展開が、正に「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」でよく描かれた「危機に対する対策と解決法」を地で行く展開なので、往年のファンとしてはものすごい興奮を呼び起こしてしまった。見たかったスター・トレックってこれだよ、という王道展開である。そして、結構各キャラに対しての描き方が深掘りしていて、ショー艦長なんかがピカードに対して冷たい対応を取っていた理由とかが明らかになり、ボーグの地球侵攻に絡む話が原因だったとはと、過去エピソードを見ている人には納得の話である。見ていない人にはわかりづらい設定にはなっているかとは思うが。その話の時にも音声だけボーグ侵攻のバトルの音声になっているのが憎い演出である。また、ピカードの5年前の艦隊の若者士官との会話劇がしばしば挿入され、「このエピソードはどういう意味があるのだろうか?」と思っていたら、ラストで思いがけないオチが待っていて、無駄なエピソードになっていない所はすごいと思う。後半のタイタンが重力井戸から脱出するためのクルーの活躍なんかは手に汗握る展開である。それにしても、ヴァーディクの可変種であることの正体明かしと、ジャックがなぜ可変種に狙われているのかは、今後の展開待ちで、期待をする所である。

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