スター・トレック:ディスカバリー シーズン5第5話「鏡像」(Paramount+/Amazon Prime Videoチャンネル)

あらすじ

ディスカバリーは、タイムバグによる時間のロスを取り戻すべく、ジナールの持っていたロミュランの石碑から、次の目的地に到着する。

しかし、そこにはすでにモルとラアクが到着していた。その地点には何もなく、モルとラアクの姿も見なかった。スタメッツたちが調査した結果、その地点には一種のワームホールが存在していて、大火の影響でワームホールは開いたり閉じたりを繰り返していた。モルとラアクはそのワームホールの中に飛び込んでいたために、姿が見えなかったのである。

ディスカバリーがワームホールに入るにはかなりの困難が予想されたので、バーナムはブックと共にシャトルでワームホールに入ることを決意する。バーナムは留守の間、ディスカバリーの指揮をレイナーに任せる。

バーナムとブックはシャトルでワームホールに入り込むが、ディスカバリーとは連絡が取れなくなる。そして、ワームホールの中で、モルとラアクが乗っていた船が大破していたのを発見する。二人の生死が気になったところであるが、バーナムとブックの前に鏡像世界のエンタープライズが現れる。モルとラアクが生き延びているのならば、鏡像世界のエンタープライズに避難しているはずと目星をつけ、バーナムとブックもエンタープライズに乗船する。

エンタープライズに乗船した二人は、モルとラアクがどこに隠れているかを探索し、医療室にいることを確認する。モルとラアクは医療室でホログラムを起動させ、バーナムとブックを混乱させようとしていたが、ホログラムの装置を破壊したことで、2対2の対決になる。ラアクはロミュランの石碑を持っていたが、バーナムが「それは偽物だ」というブラフをかける。

そして、モルとラアクが石碑を誰に売ろうとしていたか、ラアクの正体が誰なのかが判明する。二人は石碑をブリーンに売ろうと企んでいて、ラアクも実はブリーン人であり、かつブリーンの指揮官の甥にあたる人物だった。左遷されたラアクは、モルと出会い、次第に二人は惹かれあってブリーンの追手から逃れるためにロミュランの石碑を入手して、ブリーンに売り飛ばそうと目論んでいたのである。

その戦いの中、防御フィールドが作動してバーナムとラアクはフィールドの中に閉じ込められてしまう。ブックは自分の師匠の娘であるモルと一時的に協力し、防御フィールドを解除しようと試みるが、その結果エンタープライズにダメージを与え、ワームホールから脱出するためのシャトルも吹き飛んでしまう。

危機に陥ったバーナムたちだったが、レイナーに向けてワームホール脱出のサインを送り、ディスカバリーの救助を待つことになる。

感想

シーズン中盤に入ってきて、いよいよ物語も本格的になってきているが、今回のエピソードは、バーナムとブック、モルとラアク、ブックとモルの関係を詳しく描いているところが大きいと思う。ブックとモルの関係は師弟関係に近いものがあるが、バーナムとブック、モルとラアクの関係は恋愛関係であり、その対比が描かれることで物語に深みを与えている。

特に今まで謎だったモルとラアクの関係がラアクの正体と共に明かされるところは、かなり面白い。前話で描かれた仮定の未来の話で連邦がブリーンに攻撃されて崩壊するという描写が、ラアクの正体とモルとラアクがロミュランの石碑を誰に売ろうと目論んでいるのかが明確になってきて、話の繋ぎ方が上手いな、と感じるところである。

このシーズンでは23世紀に関わる話が多いのが特徴であるが、本エピソードでは乗組員こそ登場しないものの、鏡像世界のエンタープライズが物語の舞台となって大きな役割を果たしているので、過去のシリーズや「スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド」を見ている人にとってはサービス的な展開だと思う。

ディスカバリーで浮いていた副長のレイナーも段々副長としての役割を立派に果たすようになってきていて、ディスイカバリーのクルーのひとりとして存在感が増しているのも面白いところである。

5.1chサラウンドも演出上の効果を上げていて、聞き応えがある。

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