映画「ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987」(Tジョイ・博多)

1987年に熊本は阿蘇の麓にあるアスペクタという野外劇場で開催されたオールナイトのロックフェスティバル「BEATCHILD1987」の模様を収めたドキュメンタリー音楽映画。ちょうど1987年当時というと高校生で、神奈川に住んでいた僕としては熊本に行く手段など思いもよらなかった。その後音楽雑誌のライブレポなどで伝説化していたのだが、今回クリアなマスター音源が見つかったということで、26年の時を経て、ついに見られることが出来た。出演アーティストは、ブルーハーツ、レッド・ウォリアーズ、岡村靖幸、白井貴子、ハウンド・ドック、ストリート・スライダーズ、ボウイ、尾崎豊、渡辺美里、佐野元春と今考えても豪華たる面々。佐野元春ファンの僕としては、当然佐野のアクションに期待して観に行ったのだが、他のアーティストのアクションも壮絶だった。噂に聞いていた土砂降りの雨の中という最悪の状況下、観客は寒さに震え、足下は雨水に取られ、失神する者続出、アーテイスト側も楽器の音が出ない、スピーカ使用不能などありとあらゆるトラブルが襲いかかる。その中で無理矢理継続されたフェスは佐野の「サムデイ」である種の悟りを得たかのような感覚を覚える。多分この映画を観るものは40代より上のものが多いと思うが、懐古主義ではなく、現在進行形のドキュメンタリー映画として観ても見応えあるのではないだろうか。

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