「スター・トレック:ピカード」第2シーズン第9話「かくれんぼ」

あらすじ

 ジュラティに同化したボーグクイーンは、リオスの船に乗り込み、船の制御を奪おうとしていた。しかし、リオスがその制御に防御をかけ、エルノアのホログラムにアクセスキーを仕込んでいた。エルノアは、ボーグクイーンや、スン博士の攻撃を防ぎながら、船を守っていた。ピカードたちは船に戻ろとしていたが、ボーグクイーンに同化された傭兵たちが、ピカードたちの動きを邪魔していた。傭兵の攻撃が激しくなり、負傷したリオスとドクターとその息子は転送で病院に運ばれ、アニカとラフィはピカードたちと別れて行動し、船に戻ることになる。そして、ピカードとタリンは、屋敷の地下道に入り込み、船に戻ろうと考えていた。その地下道はタリンの精神融合で見たピカードの記憶のままだった。ピカードは心の奥に、子供の頃の母との記憶をしまいこんでいて、母の悲劇から目を背けていた。その悲劇とピカードは対面することになる。船に戻ったアニカとラフィは、エルノアのホログラムからアクセスキーを取り出し、船の制御権を奪い返す。しかし、ボーグクイーンが、ラフィとアニカを攻撃し、アニカは負傷する。ボーグクイーンは船を自分のものにしようとするが、ジュラティがそれを阻止し、ボーグクイーンにセブンのようなボーグになるよう説得する。負傷したアニカを一部同化したボーグクイーンは、アニカがセブンに戻ったのを見て、ジュラティに同意する。そして、ジュラティでもなく、ボーグクイーンでもない新たな存在が誕生する。

感想

 最終話まであと2回となったこのシーズンで、結構物語が進展していくのがわかる興味深いエピソードだと思う。ピカードの母との過去について、ついに明らかになった事実は、ピカードの心を固く閉じ込めていたものだった。母が精神の病を患い、ついに自殺してしまったという事実は、ピカードの心に傷をつけたが、それをようやく受け入れることができたという点で、物語上、ピカードの成長を感じ取ることができる。一方で、ジュラティとボーグクイーンの関係にも変化が見え、ジュラティでもなく、ボーグクイーンでもない新たな存在が誕生するという設定は、面白いものがあるといえる。その新たなる存在は言ってみればセブン・オブ・ナインみたいな存在で、他を同化するだけでなく、同化した個人を個人のまま受け入れるというボーグにはない要素を持ったものだった。そして、新たな存在は、船を制御し、宇宙に旅立っていくのだが、ピカードに二人のルネのうち一人は生き残り、一人は死ぬ、という言葉を残していった。これがどういう意味なのかは不明だが、まだスン博士も生き残っているし、Qの存在も忘れてはいけない状態である。これで、来週の最終回にエウロパ計画が成功するのか、ピカードたちの運命はどうなるのか、いよいよクライマックスが訪れることになる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました