あらすじ
エンタープライズは星雲の中にいて、調査任務をしていた。医療主任のムベンガは、難病を抱えた娘、ルキヤに物語を聞かせていたが、次第にルキヤの症状は悪化していった。
星雲から出て次の目的地に行こうとしたエンタープライズだったが、ワープもインパルスエンジンも使えず、星雲の中に止まらざるを得なかった。
ムベンガはルキヤの治療をすべく薬を研究していたが、その薬を浴びてしまう。そして、エンタープライズが星雲に捕まった後、ブリッジに行った時に、ルキヤに読み聞かせていた物語の世界が広がっていることに気づく。
正気を保っていたのはムベンガと、機関主任のヘマーだけで、後のクルーはルキヤに読み聞かせていた物語の登場キャラクターになりきっていて、正気ではなかった。
物語のあらすじを知っているムベンガは、ただ一人正気を保っていたヘマーが魔術師として存在していることを知り、ヘマーをネヴェ女王から救出し、ヘマーと共に魔法の世界を解除する方法を探していく。
へマーが言うには、星雲の中にいた意識体がクルーに襲いかかった、と言うことだった。へマーは視覚障害のため、意識体をブロックできたので正気を保っていた。二人が物語のエンディングを進めるうちに、娘のルキヤがこの事態に大きく関わっていることに気づく。
感想
前のエピソードから少しずつ語られていたが、医療主任のムベンガと、難病を抱えて寿命の短い娘、ルキヤとの関係を深く掘り下げた物語で、それを重い話ではなく、なんと星雲の中にいた意識体がエンタープライズのクルーの意識を乗っ取ってコスチューム・プレイをすると言う風変わりなエピソードである。
スター・トレックの世界はなんでもありの世界だが、登場キャラのコスチューム・プレイが見られるとは、予想だにしなかったので、ユニークなエピソードになっている。
しかし、ムベンガとヘマーだけは意識体に意識を乗っ取られずにいたので、事態を解決すべく物語に沿った展開をこなしていくのだが、これまであまり主役的活躍を見せなかったヘマーが魔術師としてテクノロジーを駆使して物語を進めていくのは、興味深い。
そして、コスチューム・プレイのクライマックスでは、難病に冒されたルキヤとムベンガとの親子の絆や、ルキヤの幸せを考えたムベンガがとった行動といい、結構考えさせられる話になっている。
意識体もルキヤを救うか、エンタープライズのクルーを救うかをムベンガに問いていて、その結末は希望に溢れたものになっている。
ルキヤをめぐる物語は一旦今回のエピソードで蹴りがつくが、また、どこかで話に出てくるのかもしれない。
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