レビューの詳細は、Blue Velvet(4K UHD Blu-ray/CRITERION)|ブルーベルベット|輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。
2025年1月15日にデヴィッド・リンチ監督がこの世を去った、というニュースを聞いてから、ホームシアターで何かリンチ監督の映画を見たいなとは思っていた。よくよく自分の手持ちの4K UHD Blu-rayやBlu-rayのコレクションを調べると、結構デヴィッド・リンチ監督作の映画をコレクションしていることに気づいた。その中で、前から気にはなっていたものの、観る機会を逃していた「ブルーベルベット」を今日、見てみる気になった。CRITERION COLLECTIONではBlu-ray版の「ブルーベルベット」も持っていたが、4K UHD Blu-ray版も持っていたので、今回は映像的に優れる4K UHD Blu-ray版の「ブルーベルベット」を鑑賞した次第である。
デヴィッド・リンチ監督の映画を久しぶりに見たが、初見の「ブルーベルベット」は、リンチ・ワールド全開の怪しい映画だった。平和な田舎町の裏側にはそこ暗い闇がうごめているという展開であり、その発端が主人公であるジェフリーが草むらから人間の切り落とされた耳を発見するという異常な状況なのは、まさにデヴィッド・リンチでなければ考えつかない展開である。
ただ、その闇の世界が異常と感じるかというと、ジェフリーがその闇の世界に触れても動じないので、視聴者としても異常な世界が正常な世界のように感じられるところがあり、何が正常で何が異常なのかがよくわからないところはある。
ジェフリーを演じたカイル・マクラクランもドロシーを演じたイザベラ・ロッセリーニも、ヌードシーンを体当たりで演じているが、映画の世界が異常なので、見ていて性的興奮を覚えるところは全くなく、ドラマとして違和感なく定着している部分はある。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されているが、手持ちの4K UHD Blu-ray PlayerであるUBP-X800M2との相性が悪いのか、ディスク製造の不備か、再生開始1時間20分でフリーズしてしまった。そして、このディスク、デヴィッド・リンチ監督の意向なのかチャプターが1つだけ、チャプター1に映画全編120分が収録されているので、フリーズからの復帰に苦労した部分はある。なんとか全編は通しで見られたが、映像の質としてはフィルムの質感はよく出ていると思う。
音響はdts-HD MA 5.1chサラウンドで視聴したが、基本的にはフロント重視のサウンドである。意図的にサラウンドから音が出るという演出はほぼないと言ってもいい。
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