映画「市民ケーン」(輸入盤4K UHD Blu-ray/CRITERION)

映画・テレビ

 レビューの詳細は、CITIZEN KANE(4K UHD Blu-ray/CRITERION)/市民ケーン/輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。映画のディスクメディアの売り上げ減少が著しいこの頃であるが、映像や音響に定評のあるアメリカのビデオレーベル、クライテリオン・コレクションが4K UHD Blu-ray市場に参入をした。その第一弾がこの「市民ケーン」であり、実はクライテリオンがレーザーディスク市場に参入する際の第一弾もこの「市民ケーン」であったことから、クライテリオンの意義込みがわかるというものである。物語は新聞王チャールズ・ケーンが死亡したのだが、その死ぬ直前、「薔薇の蕾」という一言を残して死んだことから、その言葉をめぐってジャーナリストが真相を追いかけていくというものである。そこから浮かび上がってくるのは、財を成しながらも孤立していくチャールズの人生であり、成功者でありながら実は敗残者でもあったチャールズの姿を描くことに注視していくところがある。「薔薇の蕾」は映画のラストで明らかになるが、それを知ったとき、彼の孤独感が見事に浮かび上がってくる。クライテリオンが4K UHD Blu-ray市場に参入したこともあり、画質はモノクロフィルムからのテレシネでありながら、素晴らしい映像を提供している。DOLBY VISIONによるコントラストは明確に画質に貢献しており、4K映像がフィルムらしい粒子を描写している。音響もPCM 1.0chサウンドでありながら、1941年の映画の音質とは思えないほど高音質を形成していて、魅力的である。ただ、Blu-rayディスクには映画のコントラスト設定のミスがあり、交換プログラムが走っている。4K UHD Blu-rayではそのようなミスがないので、4K UHD Blu-rayで見るならば問題ないが、Blu-rayで見る時には注意が必要である。

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