映画「ソー:ラブ&サンダー」(IMAX 3D/ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13)

マーベル・シネマティック・ユニバースの最新作で、初期「アベンジャーズ」のヒーローのうち、唯一無事でいたソーの新たなる物語が、この「ソー:ラブ&サンダー」である。シリーズとしては第4作目に当たる作品である。

今回の話は、過酷な自然により神を信じながらも神に裏切られ、最愛の娘を失ったゴアという男が、神をも殺せるネクロソードを手に入れ、次々に神殺しをしていく中で、ソーとアスガルドの民に狙いをつけ、アスガルドの子供たちを誘拐し、ソーを抹殺しようとする展開になっている。

そして、今回のストーリーの特徴は、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」以来の再登場となるナタリー・ポートマン扮するジェーン・フォスター博士が、なんとソーの武器であったムジョルニアを手にしてマイティ・ソーとなり、ソーやヴァルキリーと共にゴアに対して立ち向かうという想像だに絶する展開が待ち受けていることであろう。ジェーンが何故ムジョルニアを持てるのかという謎も物語の重要なポイントになっていて、ジェーンの運命もそれに伴って詳細に描かれている。ちなみにジェーンの同僚であるダーシーも少しだけだが、カメオ出演している。

今回、物語冒頭は結構コメディ調で、しかも「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の面々もゲスト出演することから、どういう展開になるのか、ちょっと焦ったが、途中からかなりシリアスな展開になり、最後は物語に引き込まれる展開になっているので、作品の出来はいいと思う。ゴアが神々を殺し続けることから、ソーとジェーン、ヴァルキリーは神々の集まる世界に行き、全能の神ゼウスとのやりとりもあるのだが、ゼウスが全能の神らしくなく、結構笑える神になっているのも監督の演出が冴えている結果だろうと思う。

その演出だが、後半のゴアとソー達との戦いでは、なんと映像表現にかなり意表をつく行為を行なっており、これが相当のインパクトを与えるものになっている。これは映画を見た人だけの楽しみだが、期待していいと思う。

上映時間もそんなに長くもなく、話がテンポ良く進んでいくのと、話の中で結構前の作品についての説明が差し込まれているので、「マイティ・ソー」シリーズや「アベンジャーズ」シリーズを見ていなくても、一応は話はわかるので、一見さんにもお勧めできる作品である。マーベル・シネマティック・ユニバースの映画やテレビドラマは段々複雑に入り乱れているので、この作品の独立性は貴重だと思う。

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