映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」(Apple TV 4K/iTunes Movies/4K UHD)

レビューの詳細は、プロミシング・ヤング・ウーマン(4K UHD/iTunes Movies)|Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。

2種間ぐらい前にiTunes Moviesでバーゲン作品を見ていた時に、この「プロミシング・ヤング・ウーマン」を見つけ、タイトルだけ前から気になっていたような気がしたのと、映像が4K/DOLBY VISION/DOLBY ATMOSだったので、安いし買って見てみるかと思って買ったのだが、実はこの映画、アカデミー脚本賞を受賞するぐらいに出来の良い作品であり、見ていて、結構主人公であるキャシーに対して感情移入していた。監督、脚本を手がけたエメラルド・フェネルという人の長編デビュー作なのだそうだが、かなり面白い。

作品内容は、女性を性のはけ口にする男性に対して、女性側からの逆襲を描くことで、男性に対して反省を促す内容になっている。僕自身も男性なのだが、この映画を観ている時には主人公で女性であるキャシーの側に完全に立っていて、キャシーの行動原理に同意して、男性がキャシーに痛めつけられるのを快感に感じていた。

物語は、医大を中退したキャシーが、医大に在籍していた当時の事件の復讐を果たす内容であり、それに医大にいた時の同期である小児科医の男性との恋心を並行で描くことで、復讐を取るのか、恋愛を取るのかという二択を迫られる主人公の心の動きを緻密に描いていると言える。

観客としては復讐に走るキャシーの行動に喝采をあげるわけだが、同期との恋が発展するにつれ、「物語はどう展開していくのだろう?」という不安に駆られるのだが、後半に行くにつれ、キャシーはやはり復讐に走ることになったため、観客も再びキャシーを応援する形になっている。

ただ、クライマックスの復讐が失敗に終わったかに見せられたのは、物語的に予想外であり、落胆しかけたのであるが、ラストでちゃんとオチを作ってキャシーの復讐が成就しているところに喝采をあげるところである。この映画は男性の女性軽視に対する批判が込められており、それを真面目にドラマとして描くのではなく、エンターテインメントとして描いているところに、良い作品であるという認識を受ける要因になっている。

映像は4K/DOLBY VISIONで配信されている。この秋にはアメリカでも4K UHD Blu-rayがリリースされるようだが、現時点では4K UHDの画質で見られるのはiTunes Moviesだけである。4K配信ではあるが、DIが2Kなので、高精細というわけではない。ただ、映画を見ていて不満は感じない。DOLBY VISIONによる色彩管理もナチュラルで、リアリティがある。

音響はDOLBY ATMOSでミックスされていて、BGMが頭上で鳴り響いたり、キャシーが出入りするクラブの音楽が部屋中に充満したり、オブジェクトが部屋のあちらこちらで定位し、イマーシヴ・オーディオとしてはなかなかの臨場感を感じさせるものに仕上がっている。

映画の評価も結構高いし、日本ではBlu-ray止まりのリリースでしかないが、iTunes MoviesでApple TV 4Kを持っているならば、4KテレビやDOLBY ATMOS再生環境でこの映画を見ると、かなり面白いと思う。

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