
2-3日前に、「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」をT・ジョイ横浜のDolby Cinemaで見ることにして、チケットを確保したという話を書いている。普段映画を映画館で観る時には池袋のグランドシネマサンシャインにあるIMAXレーザーGTに限定している僕だが、2-3日前にチケットの確保で書いたように、前作「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」公開時にインターネット掲示板で「Dolby CinemaとIMAX、どちらがスペックとして優位なのか?」という議論が起きていて、結局Dolby Cinemaの方が優位だった、という結論に達していた。IMAXだと4Kの設備を持っている劇場でもソースが2K限定だったというのが実態であり、トゥルー4Kで上映できたのはDolby Cinemaの方だった。今回の「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」がどうなのかはまだ正確なところはわからないが、多分今回もDolby Cinemaの方が優位だろうと思ったのが、今日、T・ジョイ横浜に見に行った理由である。
あと、IMAXを選択しなかった理由として、通常IMAXだと一般の劇場より上下の映像領域が広がるので、一般の劇場より広い映像が見られるという利点があったのだが、この「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」だと、Dolby CinemaでもIMAXでも1.85:1(IMAXだと1.90:1)のアスペクト比なので、スクリーンの大きさと、音響の音圧を除けば、見られる映像に差異はない。
Dolby Cinemaで3Dで映画を見るのは珍しいと思ったら、6年前に「アベンジャーズ:エンドゲーム」でT・ジョイ博多で3Dで見ていた。ただ、その時の印象は全く残っていない。なので、今日が初めてDolby Cinema 3Dの映画鑑賞という感じがしている。
Dolby Cinemaで驚いたのはやはり映像の高精細感と、Dolby Visionによる強烈な色彩表現である。ホームシアターででもDolby Visionの映像は強烈だが、劇場用Dolby Visionによる惑星パンドラの描写は圧巻だった。CGによる色彩が鮮やかすぎて、臨場感が強く出ていた。3D効果もかなりリアルであり、スクリーンが大きければ、完全に没入するぐらいのリアルさを持っていた。4K/Dolby Vision/3Dの映像を見ていると、目眩を感じることがあり、映画を見ていて目眩を感じたのはフィルム版IMAXの時ぐらいだったので、その映像の緻密さにびっくりしていた。
さらに安定の48fpsのHigh Frame Rate(HFR)の効果は素晴らし過ぎた。前作の「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」の時には福岡のキャナルシティにあるIMAXレーザー4KでHFRを体験していてその凄さに驚いたものだが、Dolby CinemaのHFRはリアルすぎてまるで僕が撮影するiPhoneの4K/Dolby Vision/60fpsをプロが撮影するとこうなる、という見本のような驚きの映像を提供していた。
Dolby Atmosの音響効果もホームシアターのDolby Atmosなんか目じゃないと言ったぐらいに観客を取り巻く三次元空間を自然に生み出していて、3D映像とHFRと相まって、実に立体的な音響環境を生み出していた。
作品の中身は、人類がパンドラを侵略しようとして、パンドラに住むナヴィ族とそこに加担する元海兵隊のジェイクが立ち向かうという、割とあたりきな展開のようであるが、じっくり見ると結構深いテーマを持っているように思える。前作と合わせて家族の物語として展開されていて、これは監督であるジェームズ・キャメロンが自身の家族感を映画に投射したものと考えられる。そして、ジェイクの娘であるキリがエイワと繋がって人類を倒すという展開は、キャメロンが初期からずっと描いてきたテクノロジー過信への警鐘をここでも自然との調和というテーマとともに描いているとも言える。
物語も前作で謎だった部分が結構解明されるので、面白いのではないかと思う。ただ、3時間17分という上映時間は少々長い。椅子に座っていて、最後にはお尻が痛くなってきたし、3Dメガネをかけ続けたために目や脳に疲労が溜まった感じもある。
それでも、「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」をあえてIMAXではなく、Dolby Cinemaで見るという意義は、特にホームシアターを構築している人ならば、大きなポイントになると思う。一般的にはスクリーンが大きく、サウンドが豪快なIMAXの方を薦めるが、映画の緻密さを求めるならば、Dolby Cinemaの方に軍配は上がる。
なお、おまけではあるが、上映前の予告編で「アベンジャーズ:ドゥームズデイ」が流れ、キャプテン・アメリカことスティーヴ・ロジャースが帰ってくる、という告知もされている。これも合わせて、期待大の作品鑑賞になるかと思う。

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