堤幸彦×佐野元春「コヨーテ、海へ」のサブテクスト的特番がこの「BEAT GOES ON〜ビートを探す旅〜」である。通常こういう番組は、ドラマのメイキング的内容になることが多いのだが、この番組は違っていて、あくまで「ビート」とは何かということを説明するための番組になっている。というのも「コヨーテ、海へ」でも重要な位置を占める「ビート」という概念が、実に分かりづらいところにあるからではないかと思う。「ビート」とはジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウイリアム・バロウズ他の若者が既存の体制に異議申し立てをするという内容ではあるが、これがブームになった60年代ならいざ知らず、世界が大きく変わる現代においても有効に機能し続けているのかが、よく分からないところに、こういう番組の存在意義があると思う。結果として「コヨーテ、海へ」の解説的内容の番組になっていて、番組の内容を理解するのに補助する特番の位置付けを確立していると思う。WOWOWの製作番組ではあるが、「コヨーテ、海へ」のDVDの特典映像として収録されているので、その意味付けは大きいと思う。
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