レビューの詳細は、ソー:ラブ&サンダー(4K UHD/IMAX ENHANCED/Disney+)/Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。初期アベンジャーズメンバーのうち、シリーズ物になっている「アイアンマン」、「キャプテン・アメリカ」がシリーズ終了になっているのに対し、唯一第4作目である本作が製作されたのが、ソーである。「ソー:ラブ&サンダー」も大ヒットは記録したが、作品としての評価はあまり芳しいものではなく、マーベル・シネマティック・ユニバースの作品の中でも低調な評価しか得られていない。
僕個人はそれなりに楽しめた作品であると思うが、監督であるタイカ・ワイティティの独特な演出には評価が分かれるところではないだろうか。タイカ・ワイティティは前作「マイティ・ソー バトルロイヤル」でも監督を担当していて、その独特な演出が評価されたのであるが、今作では裏目に出ているようには感じる。
本作で驚きだったのはナタリー・ポートマン演じるジェーン・フォスターが再登板しているところではないだろうか。しかも単にソーの恋人としてではなく、新たにソーと同じ力を持つ新生マイティ・ソーとしての登場とその活躍については、びっくりするばかりである。ただ、ジェーン自身は癌に犯されていて、癌が彼女を蝕んでいく様は、彼女の末路を予見しているようで、少し痛々しい。
今回のソーの敵は、神に裏切られてゴッド・ブッチャーになったゴアという男である。でも、ゴアがゴッド・ブッチャーになった経緯も同情できる面があり、単なる憎々しい敵ではないところが物語の彩りを鮮やかにしていると思う。ラストの展開には意外性を感じたが、ソーの新たなる面が見られるので、これもありかなと思う。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されていて、高精細な映像かつブリリアントな色彩表現にかなりうっとりする。その映像表現のため、2Dにも関わらず立体的に見えてくるから不思議である。それだけ高画質であると言えるのではないだろうか。IMAX ENHANCED仕様の本作は、IMAXシアターで上映されたのと同じアスペクト比を4Kテレビで再現していて、迫力が桁違いである。音響もDOLBY ATMOSで収録されているので、音響による没入感はかなり高い。オブジェクトは自由自在に移動するし、音が空間に包まれる感覚が味わえる。
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