世界の坂本龍一のストリーミングライブ配信の情報を得たのは2022年12月11日だった。話を聞くと、70歳を迎えた坂本龍一は体のあちらこちらにガンが転移し、その手術と退院を繰り返していたという。その退院の最中に、新曲を作っていたのだが、ガンの手術で体力の落ちている坂本龍一は、「今の体力でコンサートを開く自信がない」ということから、事前収録でピアノ一本の演奏を1日に2-3曲行い、それをビデオ編集で繋ぎ合わせて、12月11日にストリーミング配信で世界中に配信したのである。
70歳を迎えてガンで闘病中ということで、ファンではないものの坂本龍一の楽曲のいくつかは好きな僕的にもショックを受けていて、12月13日にYouTubeで配信された「Merry Christmas Mr. Lawrence」を見て、心震えるところがあったのだが、そのストリーミング配信の収録場所がNHKのスタジオであったことから、今回、配信の一部を45分という尺の中でNHKが放送したのが、この「NHK MUSIC SPECIAL 坂本龍一 Playing the Piano in NHK & Behind the Scenes」である。
この放送版では、坂本龍一の代表曲がいくつか演奏され、また、坂本龍一のインタビューも含まれているが、今回視聴してみて、まだ坂本龍一は前向きに音楽活動を続けている、という感覚を覚えた。YMO時代の「東風」もピアノ一本のアレンジが施されて演奏されたり、結構間を感じさせるアレンジであったが、これも意図的だと知り、放送の中に没入していった。
僕が多感な頃に知ったミュージシャンは皆いい歳を迎え、いつまで活動を続けられるのか、わからない状況になりつつあるが、願わくば、これからも生き続けていて楽曲をファンの人に提示していってほしい、と願わずにはいられない。
コメント