佐野元春 & THE COYOTE BAND「今、何処 東京国際フォーラム 2023」(Blu-ray)

佐野元春 & THE COYOTE BANDの2023年全国ツアー「今、何処」Tourの2023年9月3日に東京国際フォーラムで開催されたライブの模様を収録したBlu-rayが、この「今、何処 東京国際フォーラム 2023」である。このライブの模様は、2023年12月にNHK BSプレミアム4Kで、「佐野元春プレミアムライブ2023」で放送されたものの完全版になる。NHK BSプレミアム4Kでは4K画質ではあったが、1時間の放送枠しかなかったので、演奏楽曲が制限されていた。このBlu-rayではライブの順序通りに全ての楽曲が収録されているので、「今、何処」Tourの意図したものがわかるようになっている。

NHK BSプレミアム4Kで放送された時には当然4K画質ではあったが、Blu-ray版では2Kまでに制限されている。その分、解像度は落ちる。4Kカメラで収録はしているからマスターは4Kという恩恵はあるものの、やはり限界はある。ただ、NHK BSプレミアム4Kで放送された時の色合いはSDRでなんかおかしい色合いをしていたが、このBlu-ray版では当然SDRなのだが、あまり違和感は感じなかった。ステージ上でスクリーンに映像が映っているシーンが多いので、どうしても映像が明るくなりがちで、黒の沈み込みが足りないし、黒に近くなる程映像は荒れる傾向にはある。色彩も鮮やかというより色のトーンが少し落ちているような気がする。

映像はシネマスコープサイズで収録しているので、結構臨場感はある。カット割といい、スクリーンに映し出される映像と佐野元春やTHE COYOTE BANDとの対比が秀逸で、映像の魅力は出ているように感じる。NHK BSプレミアム4Kでは最初から歌詞字幕は出ていたが、Blu-ray版は初期設定では歌詞字幕はOFFである。歌詞字幕を見るには設定を変える必要はあるが、佐野元春ファンならば特に歌詞字幕は不要だろう。

音声はリニアPCMの24bit/48kHzで収録されているので、NHK BSプレミアム4Kの圧縮音声と比較しても格段に音質はいい。深沼元昭と藤田顕のツインギターも結構鮮明に聞こえる。

このBlu-rayは当然発売日前日に入手していたのであるが、4K有機ELテレビが故障して、修理代がバカにならないぐらいに高かったので急遽4K液晶テレビに買い替えたため、鑑賞する時間が今日まで取れなかった。ようやく2時間の時間を確保し、鑑賞できたのだが、楽曲についてはノーカットだが、MCはカットされているのではないかという気もする。当日のライブを見たわけではないから確証はないが。ただ、特典映像でメンバー紹介が入っていたのを見ても、MCは最低限しか入っていないような気はしている。あくまで楽曲を続けて視聴することで「今、何処」の世界観を表現しているのではないかと考えている。

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