レビューの詳細は、48時間(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。この映画は昔、一度だけテレビか何かで見たような記憶はあるのだが、完全に話は忘れていた。なぜかエディ・マーフィが出演しているということで、彼の主演大ヒット作「ビバリーヒルズ・コップ」のテーマが頭の中を駆け巡り、今日、この映画をちゃんと見てみようと思った次第である。
映画としては、1970年代から1980年代にかけて男臭い映画を多数制作していたウォルター・ヒルが監督しているので、ハードな刑事アクション物だろうとは思ったが、エディ・マーフィが出演しているので、コメディ要素も多いのかなと思って見ていたが、映画はやはりウォルター・ヒルのハードボイルド映画に仕上がっており、エディ・マーフィのコメディ要素もそんなに溢れてはおらず、あくまでハードボイルド映画の範疇内でのコメディに収まっていた。多少クスッと笑うシーンもあるが、腹を抱えて笑えるほどでもなく、基本ハードなアクション映画として成立していて、最近この手の映画はあまり見なくなったなと実感した次第である。
上映時間も今からするとかなり短い96分という時間であり、テンポの良いペースで物語が進んでいく。それでいて登場キャラが描けていないかというとちゃんと描いていて、キャラの特徴がよく現れた作品に仕上がっている。2023年の映画だとキャラを描くのに2時間半とか3時間かかる作品も多数あるが、上映時間が短くてもできることはある、という見本みたいな映画である。
そして、アクション映画なので物語のところどころにあるアクションシーンは結構ハードで見応えがある。登場人物の動きもよく把握でき、誰がどこにいてどう行動しようとしているのかがよくわかり、テンションが上がるようになっている。古い映画ではあるが、アクション映画として魅力に溢れていると思う。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されているが、映像の解像度は甘い。4Kスキャンが甘いのではなく、35mmフィルムに記録された映像そのものが甘いのである。その証拠に映像そのものはフィルムの粒子がほぼ全編にわたって見えるほどに解像している。記録された35mmフィルムの映像がフィルムの解像度よりも低いとしか言いようがない。DOLBY VISIONで色彩管理をしているが、これもド派手な色彩効果は出しておらず、フィルムの範囲内での効果に収まっている。
音響はDOLBY DIGITAL 5.1chで収録されている。最新のDOLBY ATMOSと比較すると三次元空間にサラウンドするわけではないのだが、平面上に環境音や拳銃の銃撃音が拡散する為、結構臨場感はある。サンフランシスコの環境音は観客を取り囲んでいて、そこにいるかのような感覚を与えてくれる。
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