映画「ベルリン・天使の詩」(輸入盤4K UHD Blu-ray UK)

レビューの詳細は、WINGS OF DESIRE(4K UHD Blu-ray UK)/ベルリン・天使の詩/輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。この「ベルリン・天使の歌」の4K UHD Blu-rayのイギリス版の存在を知ったのは、The Digital Bitsの情報からだった。「ベルリン・天使の詩」のハリウッドリメイク版である「シティ・オブ・エンジェル」は見たことがあったが、オリジナル版であるこの作品自体は見たことがなかった。情報を得て、イギリスの小売店Zavviで検索かけると、発売中になっていたので購入をして、今日視聴をした次第である。

監督はヴィム・ヴェンダースであり、彼の代表作になっているので、興味を持って視聴したのだが、かなりポエティックな映像表現を持って、天使から見た人間の生に対する営みをじっくり描いた秀作であると感じた。逆にハリウッドリメイク作である「シティ・オブ・エンジェル」は、この映画の要素の一部であるラブストーリーを前面に出しすぎている感触を受けた。

映像は1.66:1のビスタサイズで収録されているので、4Kテレビ画面のほぼ全面に映像が広がり、かなり強烈な映像インパクトを受ける。これがシネスコサイズだったら、そこまでインパクトは受けなかったのではないかとすら感じるぐらいである。また、映画の大半はモノクロ映像であり、それも映像がポエティックに感じた要因である。一部シーンはカラーで表現されるのだが、大半がモノクロであるがためにカラーになった時の印象も強烈で、イメージが強く残る。

映像は4K映像で高精細なのだが、色彩管理があえてSDRにしてあるので、コントラストもBlu-ray程度に収まっており、モノクロのシーンも輝度の強さとか暗いシーンでの黒の沈み込みの部分が物足りない感じもするが、監督の指示によるものだろうから、意図的な色彩になっているとは思う。

音響はPCM 2.0chとdts HD-MA 5.1chの2トラックを収録している。PCM 2.0chはDOLBY STEREO収録のようなので、サラウンドはあるのだろうが、今回はdts HD-MA 5.1chのトラックで再生してみた。環境音等が視聴者を取り囲み、リアリティを感じるところはある。ただ、登場人物の喋る会話がドイツ語、フランス語、英語とちゃんぽんなのと、字幕が英語しかないので、頭は結構混乱する。セリフについていけない部分もあったりする。なぜかロックバンドがライブしているシーンで日本人女性が日本語で喋るシーンが1シーンだけあり、これも唐突で驚く。

映画の冒頭とラストには4Kリマスターに関する説明やクレジットが掲載され、その丁寧さに感心をするところはある。過去の映画の4K版でこういう説明が掲載されることはほとんどなく、せいぜいCRITERION COLLECTIONぐらいしか説明がないので、4Kレストアに自信を持っている証拠であると感じた。ちなみにアメリカでは5月にそのCRITERION COLLECTIONから同じビデオマスターを使って4K UHD Blu-rayがリリースされるとのこと。A CURZON FILM版はイギリス発売の4K UHD Blu-rayだが、リージョンコード縛りはないので、どちらを買ってもいいのではないかと思う。

ベルリン・天使の詩4K UHD Blu-rayジャケット
ベルリン・天使の詩4K UHD Blu-ray UKジャケット

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