あらすじ
港で犯罪組織たちの抗争が勃発する。それは、フィスクが市長になったことで、犯罪を束ねる顔役が不在になったからである。妻のヴァネッサはフィスクの市長としてのスタンスに不満げだったが、フィスクには市長になったことで、さらに大きなことを行おうと画策しているようであった。
マードックが弁護を務めるヘクターの裁判が始まった。ヘクターと揉め事を起こしたため、事故で死んだ警官の仲間の一人は、ヘクターとの揉め事の場面を事実とは異なる説明をしていた。
マードックは、ヘクターが助けようとしたニッキーという男を確保しており、ニッキーを裁判の証言者として使い、ヘクターの行為が妥当だったことを証明しようとする。しかし、ニッキーに証言されると困るニューヨーク警察は、ニッキーが裁判で証言するのを妨害しようとする。ただ、それはマードックの作戦により交わし、ニッキーは裁判の証言台に立つ。
ニッキーは、麻薬密売で捕まった過去があった。ただ、その麻薬密売の罪は消えていた。それは、警察に情報を売る役割を担うことになったからである。マードックはニッキーにヘクターが助けた時に現場にいたかどうかを尋ねるが、ニッキーは何に怯えたのか、ヘクターが助けた日には現場には行っていない、と証言し、マードックの目論みは崩れ去る。
ヘクターの無罪を勝ち取るため、マードックは検事と検察とで合意していた、ヘクターがホワイト・タイガーとして市民の安全を守っていた、という事実を伏せる、という事柄を破り、裁判の席でヘクターがホワイト・タイガーだったことを明かす。
そして、市民がホワイト・タイガーに助けられた証言を次々に引き出す。検察は、人間には表も裏もある、と反論するが、陪審員たちはある決断を下す。
感想
今回のエピソードは前回の続きで、ヘクターが警官と揉めて一人を事故死に追いやった罪についての、裁判を描いた内容になっている。裁判ものなので、ヘクターが有罪になるのか、無罪になるのかが焦点になっているのだが、この「デアデビル:ボーン・アゲイン」の世界で描かれるニューヨークは、かなり治安が良くないので、正義とは何かをヘクターの行動をとって描いているように思える。
マードックはヘクターを無罪にすべく、ありとあらゆる手を使って証人を引き摺り出すのだが、この証人たちも一癖も二癖もあるので、なかなかヘクター有利な証言が出てこない。まさか、マードックがヘクターがホワイト・タイガーだという隠された秘密を裁判の席でバラして、ヘクターの無罪を勝ち取ろうとするのには驚かされた。
その結果は、マードックの作戦勝ちになるのだが、その後のヘクターの顛末を描いているところは、かなり衝撃である。フィスクが市長になって、「ニューヨークに自警団はいらない」と宣言をしているのであるが、それを受けて部下に実行させたという事実と、ヒーローが負ける展開に、衝撃を受ける。第1話か2話でスパイダーマン不要という話をフィスクはしていたのも、ファンならば記憶しているだろうが、まさに治安が崩れたニューヨークがどうなるのかが、かなり焦点になってくる。
マードックは今回のエピソードでもデアデビルに復帰しないが、どこかで復帰せざるを得ないのではないかと思っている。それがいつかはわからないが。
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