
マーベル・シネマティック・ユニバースの最新作は、この「サンダーボルツ*」である。
この映画を映画館で観るか見ないかで、かなり迷った。劇場公開された日は5月2日。僕はロンドン旅行中のことだった。当初は、ロンドンのBFI IMAXで字幕なしで見ようかとも思った。しかし、ロンドン観光のスケジュールを立てていくうちに、「サンダーボルツ*」を見に行く時間が取れないことがわかった。また、実際にロンドンを観光していると、観光疲れで映画を見る気力などなかった。
旅行から帰ってきても、旅行疲れでゴールデンウィーク中に映画を見に行くことはできなかった。それで、ディズニープラスで配信されるのを待とうかと思った。しかし、Yahoo!ニュースでネタバレ記事がいろいろ出てきて、ディズニープラスでの配信を待つのは厳しいと思った。
それで、母の日の映画館のスケジュールをいろいろチェックした。僕が映画館で映画を見るのは、基本IMAXシアターと決めているので、グランドシネマサンシャインのIMAXレーザーGTをチェックしたのだが、早朝か夕方の回しかないので上映時間が合わない。109シネマズ川崎のIMAXレーザー4Kも考えたが、客の頭被りが嫌なので敬遠してしまった。結局2年に1回ぐらいしか行かない、T・ジョイ横浜のDolbyCinemaで見ることにした。
DolbyCinemaなのでIMAXのようにスクリーンを拡張することはないのだが、ホームシアターでも構築しているDolby Vision+Dolby Atmosを劇場で堪能できたのは面白かった。派手なアクション映画なので、Dolby Atmosの効果は絶大である。ホームシアターでもDloby Atmosの効果は感じているが、きちんと設定された状態の劇場のDolby Atmosは素晴らしいイマーシヴ・サラウンドを提供していた。
物語は、マーベルの作品で敵として登場したキャラクターが勢揃いして正義のヒーローとして戦う、という内容だが、映画の主人公がエレーナだというのが印象的だった。彼女の過去や現在の心の移ろいが物語の根幹を成していて、ヴィラン総集結のヒーロー物とは少々趣が異なっていた。
ヴィランの中で一番人気のバッキーは「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」でもちらっとだけ出てきたが、こちらでは何と政治家になっているところが、出世しているな、と感じさせるところである。ただ、思ったほどメインでは活躍しない。出来の悪いキャプテン・アメリカことジョン・ウォーカーも出てくるのにである。ジョン・ウォーカーはそれなりに活躍していた。
タスクマスターが予想外に冒頭の格闘シーンで消えるのは勿体無い。というか、後で復活するのかと思っていたら、そのままだったというのが意表をついている。
マーベル・シネマティック・ユニバースのディズニープラス版ドラマで色々暗躍していたヴァレンティーナは、今回の事件の黒幕なのだが、彼女のちゃっかり美味しいところを持っていくスタンスは、かなり笑える。Yahoo!ニュースでネタバレされていた「ニュー・アベンジャーズ」の意味を映画を見て理解できたのはラッキーだった。ネット記事でネタバレされたら、面白くない。
IMAXで見られなかったのは若干残念だが、ディズニープラスで配信された時は楽しみにしておこうと思う。作品的にはかなり面白かった。おまけ映像も本家アベンジャーズとニュー・アベンジャーズの2チームが誕生しそうな感じだし、「ファンタスティック4」の予告めいた映像も期待を抱かせる。迷走を続けてきたマーベル・シネマティック・ユニバースも、ようやくまとまりがつきつつあるかなと感じた作品だった。