あらすじ
オリオンの海賊船が宇宙を飛んでいる時、謎の宇宙船に遭遇する。謎の宇宙船は他の異星人の船と同様にオリオンの船に攻撃を仕掛け、オリオンの船は破壊される。
セリトスの艦内で、テンディは仕事が終わってしまい、戸惑ってしまう。そこにフリーマン艦長がやってきて、テンディに故郷に帰るよう指示する。テンディの妹デゥエリカが結婚するのだが、何者かに誘拐されたというのである。故郷に帰るのを躊躇うテンディだったが、マリナーとティ・リンも付き合うというので、故郷に帰ることになる。
その頃、ボイムラーとラザフォードは同じ居室で仲良くやっているのかと思いきや、盆栽の水やりをどちらが行うかでもめた。結局、二人はホロデッキでマーク・トゥエインの格好をして仲直りをする。
テンディたちはオリオン星にたどり着くが、マリナーたちはオリオンの風習に驚く。テンディの妹デゥエリカが誘拐されるのは風習では、とテンディは両親に告げるのだが、タイミングが異なっていたので、両親はテンディを呼んだのだった。それで、誘拐されたドゥエリカを探すため、テンディはマリナーやティ・リンを連れてオリオンのクラブに行くことになる。
セリトスでは、位相変動を起こす星雲の調査をしようとしていたが、異星人がそれを拒絶していたため、先に進めなかった。フリーマン艦長は異星人と交渉により解決を図ろうとするが、うまくいかない。そこでボイムラーとラザフォードはフリーマン艦長に進言し、フリーマン艦長と異星人をマーク・トゥエインの格好をさせて、交渉させる方向に持っていく。異星人は、ボイムラーとラザフォードが世話していた盆栽を食べてしまい、それに満足したので、交渉がまとまり、星雲の調査ができることになった。
テンディは様々なオリオンの風習を駆使して、ドゥエリカを探し当てる。ドゥエリカは、本来姉であるテンディが家を継いで海賊になるはずだったのに、艦隊に入ったことで自分が海賊の家業を継がなければならなくなり、それを根に持ってテンディを誘き寄せたのだった。しかし、喧嘩の末に二人は和解し、ドゥエリカはめでたく結婚する。
感想
今回のエピソードは、今まで「スター・トレック」シリーズに度々登場する異星人、オリオン人の生態について初めて言及したのではないかと思われる内容になっている。「宇宙大作戦」の頃からオリオン人は登場しているが、その生態についてははっきりとは描かれていない。確か、女性のフェロモンが男性を惑わせるのと、海賊家業をしているぐらいしかバックヤードとして描かれていなかったように思う。
それが、「ローワー・デッキ」では、オリオン人士官としてテンディが主役で存在しているので、テンディの家族を描くことで、ようやくオリオン人の生態を描写できる機会に恵まれ、なかなか面白い話になっていると思う。マリナーが何度も同じ右肩をナイフで突き刺される場面なんかは、笑えるところである。
別の側面では、ボイムラーとラザフォードの仲とそれが異星人との遭遇によるトラブル解決に至る話を並行で描いていて、こちらもクスッとする話ではあった。ボイムラーとラザフォードが喧嘩をして仲直りするためにホロデッキでマーク・トゥエインの格好をするというのは、なんかのギャグかと思ったぐらいである。
相変わらず、物語冒頭で謎の船によるオリオン船の攻撃シーンがあるが、まだまだ本編には関与していないので、どうなっていくのかは気になるところである。
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