スター・トレック:ローワー・デッキ シーズン4 エピソード9「内なる戦い」(Paramount+/Amazon Prime Video)

あらすじ

マリナーとボイムラーはある研究所の防護壁を修理していた。研究所では凶暴な生物の研究をしていて、防護壁がある限りは安全に研究できるのだが、防護壁が消えたら危険極まりないのである。防護壁の修理は終わったが、凶暴な生物が回路を破壊し、防護壁を消失させる。それを見たマリナーは一人凶暴な生物を誘き寄せ、その間に防護壁の修復をする。

セリトスではある任務が下っていた。謎の船が異星人たちの船を攻撃する事件は、これまでは連邦とは無関係であったのだが、連邦に関わる人たちにも被害が及び始めていた。そして、セリトスにはかつてアカデミーで事故を起こしたロカルノの行方を探す任務を与えられる。しかし、マリナーの無謀な行動に頭を痛めていたフリーマン艦長はマリナーを任務から外すべく、ボイムラーやテンディたちに相談する。テンディたちは衛星のアンテナ施設の修理を「危険な任務」だと偽ってマリナーにも参加させ、ロカルノの捜索に加わらないようにさせた。

セリトスは辺境の無法地帯の惑星に到着するが、連邦を忌み嫌う人たちに阻まれ、ロカルノの行方の捜索にはかなりの忍耐を要した。それでも、徐々にロカルノの情報入手に向けて進んでいく。

衛星のアンテナ施設の修理は無事終わるが、シャトルでの帰宅途中、いるはずのないクリンゴン・バード・オブ・プレイの攻撃を受け、マリナーたちは近くの惑星に緊急避難する。その惑星には謎の船の攻撃で死んだはずの異星人たちが存在していて、互いに争っていた。

マリナーは、一人で行動をしようとするのだが、クリンゴン人と出会い、戦いを始めてしまう。しかし、ガラスの雨が降ってきたことで休戦し、クリンゴン人になぜ無謀な行動に走るのかを打ち明ける。マリナーの同期であったシトーがエンタープライズに配属され、カーデシアによって殺害されたことが心の重荷になっていて、中尉への昇進が辛かったので少尉に戻りたいがための無謀な行動だったと話す。クリンゴンはマリナーの心を理解し、彼女の力になっていく。

マリナーやテンディたちは、争い続ける異星人たちをなだめ、旧式の通信施設を修復して脱出を図ろうとする。しかし、マリナーだけは謎の転送装置でどこかに連れ去られてしまった。

感想

最終話まで2話となったこのエピソードは、かなりシリアスなストーリー展開である。シーズン4を通じて描かれてきた謎の船の攻撃による異星人船の被害の実態がこのエピソードで語られ、ようやく全容が見えてきたところである。ギャグ的展開も散見されるが、「ローワー・デッキ」にしては真面目な展開の話になっている。

物語の中心を占めるのはマリナーであり、このシーズンで特に彼女が無謀な行動に走る原因を告白するのは、テーマ的にずしりとくる。また、その心境を打ち明けたのが友人であるボイムラーやテンディといったメンツではなく、戦いを繰り広げたクリンゴン人というのも、第三者的視点が入り、よりリアルに感じられる。

今回、セリトスが謎の船に攫われる可能性があるので救いに出るという元連邦の士官候補生だったロカルノは、「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」で1回だけゲストで出てきた脇役キャラであり、まさかこのキャラを登場させるとは、マニアックだな、と実感している。声を担当するのはロバート・ダンカン・マクニールである。「スター・トレック:ヴォイジャー」でトム・パリスを演じた俳優さんで、ロカルノのキャラを発展させたのがトム・パリスだと言われている。

さらにマリナーの同期生だったシトーも確か「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」に数回ゲストで出てきたのではないかと記憶している。これまたマニアックなキャラを選んだな、という思いで見ていた人には懐かしさに囚われるのではないかと思う。

次回が最終回だが、謎の船の責任者がこのエピソードのラストでほぼ分かりかけているので、どうオチをつけるかが見ものである。

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