佐野元春 名盤ライブ「SOMEDAY」

2013年11月16日に東京のZEPP DIVERCITYで行われた、佐野元春の名盤アルバム「SOMEDAY」の完全再現ライブを収録したBlu-rayが、この名盤ライブ「SOMEDAY」である。当時、僕は福岡からわざわざ東京まで遠征し、このライブを直接鑑賞していて、そのライブレポートも書いているが、当時のライブはビデオで収録をしていて、CS放送のMUSIC ON! TVで後日放映されている。この放送を僕は見ていて、今は壊れてしまったBlu-rayレコーダーに保存した記憶があるが、放送から9年の時を経て、2022年のアルバム「SOMEDAY」リリース40周年記念の一環として、当時のビデオをBlu-ray化しただけでなく、放送では流れなかったアンコール曲も収録したものが、今回のBlu-rayになる。アルバム本編の映像はおそらくテレビ放映されたものと同一と思う。曲が演奏されるたびに、画面下に曲名が表示されているからである。

アルバム「SOMEDAY」の完全再現ライブという企画自体が珍しいものだったので、当時から関心を寄せていたが、今回、9年ぶりにBlu-rayを見直して、アルバム「SOMEDAY」の完成度の高さを実感できるものになっていると思う。セットリストは当然アルバム「SOMEDAY」の収録順で演奏されるし、アレンジも基本アルバムに忠実になっている。佐野元春のライブの場合、曲のアレンジは変わっていることが多いので、アルバム通りのアレンジで演奏されるというのは、とても珍しいと思う。セットリストがアルバム収録順ということは、ライブ本編はアルバム収録時間そのものということでもあり、約50分という長さがそれを物語っている。

バンドメンバーはTHE HOBO KING BAND+THE HEARTLAND+αといった構成で、結構プレイヤーが多い。特筆すべきは、ダディ柴田が参加していることと、出番は少ないが伊藤銀次が登場することだろうか。コーラスに堂島孝平が加わっているのも、ポイントであろう。これらプレイヤーが奏でるアルバム「SOMEDAY」の曲たちが、ウォール・オブ・サウンドを再現していて、非常に楽しいライブになっている。

Blu-rayは音声を2022リマスターしているのと、MUSIC ON! TVでは圧縮音声だったものが、PCM音声になっているので音質が桁違いに良いはずである。また、映像もHD画質ではあるが、結構鮮明な映像かつきらびやかな照明が映える演出になっていて、映像と音に見惚れてしまうところはある。佐野元春ファンは当然買っているだろうが、特にMUSIC ON! TVに加入できなかった人や、地方でライブに参戦できなかった人には、朗報とも言える今回のBlu-ray発売ではないかと思う。

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