「ドキュメント九州・首里劇場 沖縄に残る奇跡の映画館」テレビ西日本

Twitterで沖縄在住のライターである平良竜次さんが宣伝していたのが、「ドキュメント九州・首里劇場 沖縄に残る奇跡の映画館」という民放テレビのドキュメンタリー番組であった。民放テレビと言っても全国ネットではなく、九州・沖縄のネット局だけの放送、しかもほとんどの局は深夜の放送だったので、見られた人はそんなにいないのではないかと思う。僕はTwitterの告知を見て、速攻でテレビに接続した録画用HDDに録画予約を入れ、放送が終わった後の昼間に録画したものを見たので、内容を把握することができた。

内容的には2022年4月に急遽逝去されてしまった金城館長の生前の姿や発言をインサートしながら、首里劇場の存続に奔走する平良竜次さんをメインにおいて、首里劇場の歴史や閉館後の存続方法についてを描いた作品に仕上がっている。以前「首里劇場ノスタルヂア」を見た時には、「2023年2月までは存続できるが、その後取り壊しの可能性が高い」と言われていたと思うが、この「ドキュメント九州・首里劇場」では、2023年5月現在、存続の是非について結論は出ていない、という話になっていた。

この番組では、金城館長の人となりを平良竜次さんが語っているのが、印象的である。なぜ、首里劇場が閉館せざるを得なかったのかも番組中で語られ、金城館長が生涯独身であったため、親族がいない、という話を聞いて、納得したものである。そして、金城館長の「入口はエロだが、出口は感動」という映画の名言が印象に残る。2020年までは首里劇場が成人映画専門館だったので、こういう名言が出てきたのだと思うが、映画に人生をかけた金城館長らしい言葉だと思う。

2022年秋に首里に旅行に行って首里劇場の外観を眺め、「首里劇場ノスタルヂア」をインターネットで視聴し、さらに首里劇場を舞台にした「一生売れない心の準備はできてるか」まで鑑賞し、沖縄県外の住人でありながら、結構首里劇場のことに詳しくなってしまった身としては、このドキュメンタリーは興味深い内容であり、また、一つ知識を蓄えてしまった。

映画ファンとしては、一度は首里劇場の内部まで含めて内覧をしたいところではあるが、沖縄県外在住であるがために、そのチャンスはほとんどないとは思っている。なので、こういうドキュメンタリーを見られたのは、心揺さぶられるところはある。九州・沖縄ローカルの番組なので、広報としては弱いとは思うが、多くの人が首里劇場存続について関心を持ってもらえると嬉しいと思う。

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