短編ドキュメンタリー「首里劇場ノスタルヂア」(京都国際映画祭オンライン)

配信スペック/キャスト/監督

制作首里劇場調査団
制作年度2022年
上映時間20分
監督平良竜次
出演金城政則、普久原朝充、仲田幸子
画面1.78:1/SDR/1080p
音声2ch STEREO

あらすじ

太平洋戦後間もない1950年に開館し、映画のみならず、各種イベントの会場として利用されてきた「首里劇場」。映画の斜陽化に伴い、1970年台からは成人映画上映館として時代を歩み、2021年からは名画座として再出発をしたのだが、3代目館長である金城政則が2022年4月9日に急逝。後を継ぐものもおらず、閉館が決定した。その「首里劇場」の歴史を残そうと、首里劇場調査団が結成され、建物の構造や歴史、文化などについて調査をしている。建物取り壊しの話も出ているが、現在未決定のままであり、その現状と過去の歴史、今後についてをまとめたのが、この短編ドキュメンタリー「首里劇場ノスタルヂア」である。

感想

僕が「首里劇場ノスタルヂア」の存在を知ったのは、Twitterであった。正確には「首里劇場ノスタルヂア」という短編ドキュメンタリーが完成して、京都国際映画祭オンラインで期間限定で公開されている、という話を沖縄テレビが報じていて、その紹介動画のYouTubeへのリンクがTwitterに貼られていたのがきっかけである。しかし、「首里劇場」の存在自体は2016年から知っていた。この「首里劇場ノスタルヂア」にも出演している一級建築士の普久原朝充が執筆に参加している「沖縄 オトナの社会見学 R18」(亜紀書房)という本の中で紹介されていたからである。そして、2022年10月9日に沖縄旅行した際に、首里の散策でこの「首里劇場」の外観を見学し、写真にも収めている。そうした縁もあって、この短編ドキュメンタリーである「首里劇場ノスタルヂア」の配信を視聴するのには、とても関心が高かった。内容的には3代目館長の金城政則氏が2022年4月9日に急逝してからこの戦後の沖縄で歴史的建造物である「首里劇場」について調査するという内容のものになっているが、1950年の開館からの2022年までの47年の歴史の重みには、心揺さぶられるものがある。この「首里劇場」で映画を見たわけでもないが、映画ファンの一人としては、やはり歴史のある劇場が朽ち果てていくのを見るのは寂しいものがある。監督が2000年代の沖縄ブームの時にさまざまな書籍が出版され、その本の記事のライターとして活躍した平良竜次氏なので、ポイントは余すところなく抑えられていて、20分という上映時間ながら、見応えは存分にある。また、沖縄演劇の重鎮である仲田幸子氏による証言には重みがあると思う。普久原朝充氏による建物の歴史説明も為になる内容である。国際映画祭でのオンライン配信という制約のため、10月10日-16日までの期間限定公開であり、今回見逃すと次にいつ見られるかはわからないので、沖縄フリークの人や、映画ファンの人は早めに視聴することをお勧めする。なお、視聴には「FANY ID」というID管理システムの登録が必要である。「FANY ID」は吉本興業が管理しているので、安全性は担保できると思ってもいいだろう。

2022年10月9日に撮影した「首里劇場」の外観。

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