ドゥニ・ヴィルヌーヴがフランク・ハーバートのSF大作を映画化した「DUNE/デューン 砂の惑星」の直接の続編にあたるのが、この「デューン 砂の惑星 PART2」である。元々長大な原作小説を一作品に収めることは無理と判断していた監督が前作で物語前半だけを映画化していたのだが、前作が成功を収めたので続編である本作が制作されて、一応は物語が完結はしている。もちろん、前作からの続きの話なので、前作を見ていないと話はわからない。いや、話のスケール感の大きさだけは前作を見ないでもわかるが、ストーリーは完全に続きから始まる。
基本パターンは、宿敵ハルコンネンに身内を殺されたアトレイデス家の跡取り、ポールのハルコンネンに対する復讐劇なのだが、砂漠の星の住人、フレメンの救世主として立ち上がる下りとか、ハルコンネンとの意外な関係、フレメンの少女、チャニとの恋愛話など、見どころは多い。
そして、前作が中途半端な形で物語が終了してしまった分、今作は一応完結はしている。派手なアクションはあるし、壮大な砂漠を見ているだけでも見応えは十分にある。ただ、物語はまだ続きそうな終わり方なので、第3作目も作られるかもしれない。一応、ハルコンネンとの決着だけはついた形ではあるが、フレメンの救世主としての立場になったポールのその後がまだ残っている。
とにかく雄大な砂漠を舞台に規模の大きなアクションが展開されるので、映像と音響に圧倒される。物語は主人公ポールのハルコンネンに対する復讐劇とフレメンの救世主としての道をじっくり描いていて、とにかく話は長い。ハルコンネンの方も制御不能な甥を最後の敵として登場させるし、ポールの母の教母としてのフレメンでの立ち位置の説明とか、話は結構複雑で、166分という長さは結構忍耐が必要である。
映像は4Kであるが、全編IMAX認定カメラで撮影されたということもあり、最初から最後まで1.90:1のIMAXデジタルのアスペクト比で上映される。その映像の構図の美しさと、圧倒感は素晴らしいものがある。解像度も素晴らしく、まさに砂漠にいるかのような感覚を受ける。
音響もイマーシヴなサラウンドが展開され、絶えず大音量、かつ唸る低音が観客を圧倒させる。12chのスピーカーが鳴り続けるので、耳がおかしくなりかけるぐらいである。自在に動くオブジェクトが映画に対する没入感を高めている。
前作を見た人は必見の映画だと思うし、見ていない人はまずBlu-rayか何かで前作を見てから本作をIMAXで見た方がいい、という本命の作品である。
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