映画「ウエスト・サイド・ストーリー」(Apple TV 4K/Disney+/4K UHD)

 レビューの詳細は、ウエスト・サイド・ストーリー(2021)(4K UHD/Disney+)/Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。1957年に舞台のミュージカルとして誕生し、1961年のロバート・ワイズ監督版の「ウエスト・サイド物語」が不朽の名作と歌われる中、現代の巨匠スティーヴン・スピルバーグが監督を務めたリメイク映画が、この「ウエスト・サイド・ストーリー」である。なぜ、2021年の今になって「ウエスト・サイド物語」のリメイクなのか、疑問も残るが、スピルバーグ監督はオリジナルにリスペクトを表し、映画の舞台も1950年台のニューヨークにしてあるし、映像も昔の映画のような雰囲気を漂わす色彩をしていて、まるで現代の映画ではなく、意識的に過去の映画を作っているかのように見受けられる。物語は単純な「ロミオとジュリエット」物なので、ラストは重たい展開で終わるが、それがこの映画の良さを表していると言える。映像は4K/DOLBY VISIONで収録され、撮影、マスターはコダックの35mmフィルムで収録されているので、デジタルデータも4Kで保管され、ネイティヴ4Kでの収録になっている。映像は精彩感があるものの、過去へのリスペクトからか色彩があえて昔のフィルム的な発色をしていて、決してカラフルではない。最もこの映画でカラフルな映像だったら、印象が大きく変わるだろうと思われる。音響はDOLBY ATMOSで収録され、オブジェクト満載の三次元サラウンドが効果を上げている。劇場公開ではチケットが売れず、失敗作と見做されているが、Disney+に入っている人や、今後4K UHD Blu-rayを購入予定の人は、視聴しても損のない作品に仕上がっているといえる。

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