はじめに
2025年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
さて、昨年見た映画のベスト3を今回も挙げたいと思う。2023年に引き続き、2024年に見た映画のベスト3は、2025年になってからになってしまったが、新年の記事としては2024年を振り返る意味で適当かなと思う。
昨年は、認知症になった母の介護をする父のフォローに回るつもりで、長年暮らした福岡から実家のある神奈川に引っ越ししたことや、その母が亡くなったこともあり、思ったより映画は見ていない。それでも40本以上は見ている。例によって、ディスクメディア、配信、映画館で見た映画からそれぞれ3本をピックアップしてみたい。
ディスクメディア
- THE FINAL GAME OF DEATH(Blu-ray UK)
- アポロ13(4K UHD Blu-ray)
- シビル・ウォー アメリカ最後の日(4K UHD Blu-ray)
ディスクメディアは去年は割と見たほうであるが、印象に残った作品を選択した。「THE FINAL GAME OF DEATH」は映画ではなく、メイキングドキュメンタリーなのだが、ブルース・リーが生前撮り溜めていた「死亡遊戯」のクライマックスの格闘シーンの未公開カット(ボツテイクを含む)がこれでもか、というぐらいにBlu-rayに収録されていて、見応えがあった。「死亡遊戯」についてはこれまでも追いかけてきたが、このドキュメンタリーが決定版であろう。
「アポロ13」輸入盤4K UHD Blu-rayで再鑑賞になったが、輸入盤なのに日本語字幕、吹き替え音声付きなので、詳細なストーリーが初めて理解できて、その緊迫感の高さに唸らされたところはある。最近のメディアではほとんど取り上げられることのないdts:Xでのサウンドトラック収録だが、神奈川に引っ越しした後に再構築したホームシアターシステムの効果が最大限発揮されていて、凄まじい臨場感を上げていた。
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」は後でIMAXレーザーGTでも見直しているのだが、あえてディスクメディアでのベストに挙げた。ディスクはDolby Atmosで収録されているが、これまた恐ろしい緊迫感を出している。また、アメリカ社会の分断という現実世界とリンクしているかのような設定がリアリティあり、大変興味深い作品だったと思う。
配信
- DUNE/デューン 砂の惑星(iTunes Movies/4K UHD)
- ザ・ビートルズ:Let It Be(Disney+/4K UHD)
- 哀れなるものたち(Disney+/4K UHD)
去年は配信での鑑賞は減少していた。見た映画でもあまり印象に残っている作品はないのだが、あえて挙げるとしたら上記3作品かなと思う。
「DUNE/デューン 砂の惑星」は、昨年「デューン 砂の惑星 PART2」が劇場公開されたので、復習の意味で鑑賞したのだが、配信ながらDolby Atmosの効果は素晴らしく、重低音が頭上でガンガン鳴る効果に圧倒された。また、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の生み出したデューンの世界観の設定は見事なものがあり、完全に世界観に没入できた。
「ザ・ビートルズ:Let It Be」は、Disney+独占配信である。ピーター・ジャクソン監督がこの映画のアウトテイクを使用して「ザ・ビートルズ:Get Back」という映画をやはりDisney+で制作して独占配信しているが、元ネタはこの「ザ・ビートルズ:Let It Be」である。ザ・ビートルズが解散する直前のレコーディング風景を収めているが、クライマックスのルーフトップ・コンサートは魅力的な演奏であり、映画の魅力はここに集約されると思っている。
「哀れなるものたち」は昨年のアカデミー賞で健闘していた作品であるが、なかなか面白い作品だったと思う。赤ちゃんの脳を死んだ成人女性の体に移植して、蘇った成人女性が引き起こすトラブルを描いた作品であるが、人の成長を全く別の視点から描いた秀作だと思う。
映画館
- オッペンハイマー(IMAXレーザー4K)
- 戦雲(いくさふむ)(KBCシネマ2)
- インターステラー(IMAXレーザーGT)
昨年は映画館にはなんとか時間を作って行った口である。魅力的な作品が多くて選択に困ったが、あえて上記3本をベストにした。
「オッペンハイマー」は一昨年のディスクメディアでもベスト3に上げているが、昨年、無事に日本でも拡大ロードショーされたこともあるので、あえて入れている。一昨年輸入盤4K UHD Blu-rayで見た時には理解しきれなかった時代背景や人物像は、昨年、映画の元ネタであるノンフィクションの「オッペンハイマー」を読破し、それからIMAXレーザー4Kでの鑑賞に臨んだので、作品の理解度は十分過ぎるほど理解できていた。この作品は原爆の父と呼ばれたロバート・オッペンハイマーの半生を映画化したものではあるが、原爆そのものを問題視しているのではないというところに味噌がある。ノンフィクションを読めば理解できる。IMAXでの拡大スクリーンは圧巻だった。
「戦雲(いくさふむ)」は、軍事要塞化が進む沖縄、南西諸島を追いかけてそれを批判するドキュメンタリーである。大半の日本人は「中国脅威論」に惑わされて沖縄が中国の防波堤になるのは仕方ないと思っているようだが、この映画を見れば当の沖縄に住んでいる人たちの悲痛な思いが伝わってきて、今の沖縄の軍備増強が正しいのか、疑問が湧いてくるはずである。太平洋戦争で沖縄戦を体験した沖縄の人からすれば、「軍隊は住民は守らない」というのが共通の認識になっていて、これは沖縄だけでなく日本人全員が考えなければならない事柄である。
最後は「インターステラー」である。「オッペンハイマー」も監督したクリストファー・ノーラン監督の最高傑作と言われる作品であるが、昨年11月に劇場公開10周年を記念してIMAXシアターのみでリバイバル上映が開催された。この時にはすでに横浜に住まいを移していたので、東京、池袋にあるグランドシネマサンシャインのIMAXレーザーGTでようやく監督の意図した画面サイズで鑑賞することができた。IMAXフィルムと同じアスペクト比で同じようなスクリーンサイズを誇るIMAXレーザーGTでの体感は、圧倒的であり、映画終了後に観客から拍手が起きたのも納得できる出来栄えである。
今年は、横浜の住まいでホームシアターがある程度出来上がっているのと、IMAXレーザーGTで鑑賞する機会ができているので、また、映画ライフを楽しんでいきたい。
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