芥川龍之介「藪の中」青空文庫

芥川龍之介の代表作にして、全世界で最も知られている作品。実は僕は今回青空文庫で読むまで内容をよくは把握してはいなかった。ストーリーは、ある一人の男が藪の中で殺されているのが発見されるのだが、その様子が見た人によって全て異なっていて、どれが真実なのか皆目見当がつかないというもの。僕も大枠だけしか把握していなかったが、今回読んでみて、その内容の深さに唸らされるところがあった。若い男が妻を盗人に寝取られるというところは同じようなのだが、その後の若い男が死ぬまでの箇所が告白する人すべてが違うので、真実はまさに藪の中という展開なのである。映画化もされているのでもしかしたら何処かで似たような話を観ているのかもしれないが、しっかりと原作を読んだのは初めてなので、短い内容ながらも興奮してしまった。これはお勧めの一編である。

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