スティーヴン・キング著「ザ・スタンド II」文春文庫

長大な長編小説の第2巻。第1巻が「スーパー・フルー」と呼ばれる細菌によって人類が徐々に滅亡していく様を描いたのに対し、第2巻では、生き残った人間が、それぞれ他の生き残った人間はいないかと、探し始める様が執拗に描かれている。そして、徐々に主役級登場人物の夢の中に現れる黒人の老婆と、闇の男の存在が描かれ始める。ここに至って物語は少しずつだが現実の話から寓話的様相を示し始めているようにも思われる。主役級の登場人物のほかにも、生き残った脇役級キャラもその存在をじっくり描いているので、話はとにかく長いが、その分感情移入できるようになっている。ただ、2/5に至っても、物語の真の展開はまだその本質を示していないのは、キングらしいというべきか。今後は黒人の老婆の存在と、闇の男の存在が執拗に描かれていくものと思われる。

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