レビューの詳細は、ガタカ(HD/Netflix)/Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。この映画はレーザーディスクの末期の頃に買って、見た記憶がある。そのメランコリーな作風に心惹かれるものがあったのだが、その後は鑑賞する機会もなく、DVDやBlu-ray、4K UHD Blu-rayを購入することもなかった。たまたまNetflixのカタログを眺めていて、この「ガタカ」がカタログに載っているのに気づいたので、HD画質であることは承知の上で、今日20年ぶりぐらいに再鑑賞をした次第。1997年の映画だが、よくできている作品だと思う。近未来の遺伝子の優劣が人間の優劣を決める唯一の要素になっていて、遺伝子操作されないで生まれてきたヴィンセントが、宇宙に行くために奮闘するという物語は、物語的に関心を生むことになる。遺伝子の欠陥により多数の疾病を抱え、30.2歳までしか生きられないヴィンセントは、闇取引で完全な遺伝子を持って入るものの、事故により半身不随になっているジェロームの血液や尿、皮膚、髪の毛などを手に入れて、ジェロームになり済ませてガタカ社に入社し、宇宙を目指すことになる。しかし、ヴィンセントの上司が殺されたことにより、ジェロームに化ていることを見破られそうになり、必死にカバーするところはサスペンス調である。SFスリラーである本作は、そのラストで心揺さぶられるところがあり、佳作であると感じる映画である。映像はNetflixなのでHDにとどまっているが、解像度に不満はない。また、色彩が独特の色彩を施しており、近未来の感覚が満載である。音響は5.1chサラウンドであるが、DOLBY SURROUNDモードで鑑賞すると、頭上にも音が広がり、擬似的に三次元サラウンドを構築している。監督であるアンドリュー・ニコルのデビュー作であるが、一番出来の良い作品ではないかと思う。
コメント