映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」(特装限定版Blu-ray)

 2016年に公開され、大ヒットを記録した「この世界の片隅に」。大ヒットしたためにプロデューサーから予算が降りて、もともと片渕須直監督が絵コンテを切っていた長尺バージョンを映像化した2019年の映画が、この「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」である。長尺版ではあるが、遊郭で働くリンさんのエピソードや終戦後の台風のエピソードなど、様々な展開が追加され、既存のエピソードも修正された結果、物語のニュアンスは「この世界の片隅に」とは違った展開になっている。様々な登場人物の性格がより克明になり、主人公すずさんとの絡みで印象が違って見える状態になっている。アニメ映画としては異例の168分という長さのためか、単なる長尺版としてしか捕らえられなかったためか、劇場公開時には思ったほどヒットをしなかった作品ではある。ただ、見た限りにおいてはやはり面白い映画であることには変わりはないし、感動もする。旅行で広島、呉を観光してこの映画のロケ地を見てきたが、この映画での実在の建物等の描写はリアリティを感じ、現実と地続きの映画であると言える。Blu-rayではあるが、解像度はアニメのため不満もないし、色合いも十分であり、かなりカラフルである。音響はDolby TrueHD 5.1chで収録されているが、音響監督も片渕須直が担当しているため、かなりリアリティのあるサラウンドになっている。特に後半の空襲シーンのサラウンド感はすばらしいものがある。ヒットはしなかったので、評価しない人もいるだろうが、僕としては評価したい映画である。

追記

僕はこの作品の応援チームに応募していて、映画のエンドクレジットに名前を掲載される権利を得ていた。2019年の年末に劇場でこの「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を鑑賞した時、そのエンドクレジットでは僕の名前を発見できなかった。今日、Blu-rayで再見した時も発見できなかったのであるが、Blu-rayは一時停止や逆再生もできることから、それらとパンフレットの掲載氏名を付き合わせて探索したところ、確かにエンドクレジットに自分の名前が掲載されていることを発見した。ものすごい数の人の応援チーム参加があったので、Blu-rayでの再生で発見できたのは幸いである。

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