コミック「ガンダムを創った男たち。下巻」大和田秀樹 角川書店

上巻に引き続き、ガンダムにまつわる逸話をギャグ漫画で語った待望の下巻。下巻では劇場版公開における松竹と富野監督の攻防や、「アニメ新世紀宣言」にまつわる逸話、「板野サーカス」で知られる板野一郎氏のエピソードなど、上巻以上に興味深い話が読むことが出来る。特にエルメスのピットの動きを板野氏が担当していたなんて、僕としては驚きの逸話で、非常に面白く読ませていただいた。松竹との攻防も、松竹側が単に「宇宙戦艦ヤマト」の次のムーブメントを求めていて、最初はガンダムを軽く見くびっていたものが、次第にガンダムの底力を認めざるを得なくなるという点で、面白いと感じるところではある。テレビシリーズでおもちゃを売るためにやむなく出したGアーマーを、あっさりと映画版でコア・ブースターに書き換えるなど、ドラマとしての完成度を映画版で求めていることがよく分かり、富野監督の意気込みを感じ取れるところがある。当時ブームにハマっていた人には、この上下巻のコミックは貴重な資料として存在するのではないかと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました