内藤忍「60歳までに1億円つくる術」幻冬舎新書

タイトルに「1億円」とあるが、本書では具体的に1億円を作る方法が書かれているわけでもない。要は老後の蓄えに対してどう貯蓄を作っていくかを一般論で述べたのが本書である。どうも日本人としては投資に対してアレルギーがあるし、僕も投資をしていて損失を出しているのであるが、この本ではその損失も短期的に見るのではなく、10年、20年単位で見ることが寛容であると述べている。また、投資をすることは罪悪ではなく、社会に貢献をすることであると言い切っていて、その点でも興味深い内容になっている。この本では、投資としては株ではなく長期分散投資がいいと述べている。それは世界市場が長期的に見れば新興国の発展にともなって成長していくであろうという過程に立っているからである。僕個人も確かに先進諸国が駄目でも新興国は大丈夫だろうという感覚はあるので納得できる。具体的な商品については触れられていないが、投資に対する基礎を学ぶには一読の必然性のある本だと思う。

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