あらすじ
タルカは重力異常の制御装置の破壊を狙っていた。そのため、ブックの行動を抑止し、一人でブックの船を制御し、制御装置に近づいていた。ディスカバリーはブックの船の行動を止めようとするのだが、ハイパーフィールドから脱出できずにいた。脱出方法を考えていた時、スタメッツは胞子ドライブをアクティヴにすることで胞子網のないハイパースペースではエネルギーが高まり、脱出できると計算する。しかし、そのためには胞子ドライブの破損を犠牲にせざるを得ず、通常ワープでしか移動できなくなってしまうというリスクも背負っていた。バーナムはそれを受け入れ、ハイパードライブ内で胞子ドライブをアクティヴにして、ハイパードライブから脱出する。ブックの船を追いかけるディスカバリーだったが、ブックの船を止めるには、シャトルで体当たりするしかなくなる。その操縦士に志願したのは、バーナムたちを裏切った地球の将軍だった。彼女の決死の行動と、ブックが飼っていた猫のためのフォースフィールド無効化装置によって、リノはディスカバリーに転送される。タルカも最後はブックだけ救おうとするが、ブックの転送サインはロックしきれないまま、ブックの船はシャトルに体当たりされ、破壊される。重力異常の制御装置が守られたことで、10-Cは再びディスカバリーのクルーと交流を再開し、彼らの知性や存在について質問をしてくる。それで、バーナムやリラク、トゥリナたちが人間の個性について概念を説明し、10-Cとは個の扱いが違うことを説明し、重力異常の動作を止めるよう依頼する。10-Cはそれを受け入れ、重力異常は動作を停止し、壊滅の危機が迫っていた地球は安全になる。そして、10-Cはブックをバーナムの元に返し、ブックは重力異常が知的生命体に危険であることを説明し、10-Cもそれを受け入れ、重力異常そのものの存在を抹消する。こうして、10-Cとのファースト・コンタクトは、ギリギリのところで無事成功し、宇宙に平和が戻り、また、物語は大団円を迎える。
感想
「スター・トレック:ディスカバリー」シーズン4の最終回は、結構感動の物語になっていると思う。10-Cの重力異常の制御装置を破壊しようと執着するタルカに対して、最終的にはブックですら彼に対して間違っている、と意義を申し立てるのだが、タルカは最後にはブックだけは救おうとするところは、彼にもまだ心が残っていたというところで、印象深い悪キャラだったと思う。また、10-Cとのファースト・コンタクトは、人類との個の概念が全く異なるので、相互理解をするまでがスリリングで、興味深く見ることができた。ブックも途中で死んだかと思ったが、最後には生きていて、10-Cを説得するところは、彼の面目躍如であろうと思う。事態は収集され、地球やニバーは救われ、ディスカバリーのクルーは解放され、ブックも連邦の法律を破った罪を償いつつも、その償い方はスター・トレックらしい展開で、物語的に丸く収まった感がある。Paramount+での独占配信という事態から日本での視聴が長らくできなかった「スター・トレック:ディスカバリー」シーズン4であるが、YouTubeでの有料配信開始から、ずっと視聴してきて、重苦しい展開が続いたものの、ラストで解放された出来のいい作品であったと思う。できれば、早くParamount+が日本でサービスを開始してくれることを祈りたい。まだ、日本では「スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールズ」が視聴できない状態が続いているので。
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