あらすじ
異星人10-Cの残していった炭化水素から、10-Cの感情が炭化水素によって表現されることが調査の結果分かった。ディスカバリーは、その炭化水素を複製して、敵意がないことを表現しようとドットというロボットに搭載し、ハイパーフィールドに向けて放つ。しかし、ハイパーフィールドは、ドットを飲み込むどころか、ディスカバリーをも飲み込み、ディスカバリーは推進システムも攻撃システムも防御システムも無効化される。そのハイパーフィールド内で、異星人10-Cが炭化水素と光でコンタクトをしてくる。その表現方法に、ディスカバリーのクルーと使節団たちは戸惑い、交流方法が分からずにいたが、ディスカバリーのクルーのアイデアやゾーラの検討により、炭化水素の感情と光のパターンにより、数学的言語で交流を行なっていることが分かり、言語学者の力を借りて、自分達に敵意はない、というメッセージを送る。それは成功をし、次第に炭化水素と光のパターンによる交流が始まり、10-Cはシャトルを送ってきて、彼らと接触を図ろうとする。リラク大統領とバーナム、サルー、トゥリナ大統領はそのシャトルに乗り込み、10-Cとの本格的ファースト・コンタクトを開始する。その頃、ディスカバリーに密かに張り付いていたブックの船の内部で、ブックとタルカは10-Cの動力源の無効化を狙っていた。リノはそれを冷静に眺めつつ、密かに計算をしていて、タルカが重力異常を破壊して10-Cの抹殺のみならず、ブックやディスカバリーのクルー、挙句に地球ですら犠牲にしようとしている企みを知ってしまう。ブックにそれを伝えたリノだったが、ブックがタルカを止めようとしても止められず、ディスカバリーにいる使節団の将軍はタルカの指示に従ってディスカバリーのプラズマを排出してしまい、ハイパーフィールドを破損し、ブックの船だけ脱出してしまう。タルカにデバイスを仕掛けられたゾーラは違和感を感じていたが、それを調査していたカルバーやアディラによって、タルカの企みを知り、また、リノの緊急通信により、タルカの野望を知ることになるが、時すでに遅しで、10-Cとの交流は最初に戻る。
感想
物語はいよいよクライマックスに近づいていて、ついに異星人10-Cとのファースト・コンタクトの様子がこのエピソードで描かれる。10-Cは通常の異星人ではないので、翻訳機が使えず、意思を表明するのに苦労するが、そこはスター・トレックらしい設定で、炭化水素による感情表現と光のパターンの組み合わせで、徐々に交流が生まれつつあるのは、このエピソードの大きな目玉の一つであろうと思う。連邦をはるかに上回る技術力を持つ10-Cとの交流を開始する展開はスリリングである。その一方で、前話でタルカに誘拐されたリノが、ブックの船で監禁されていて、彼女の存在がブックの心を揺さぶるという展開には、驚かされる。それどころかリノはタルカの野望を計算し、親しい人全員が死亡するという計算までしてしまい、タルカが危険であるという認識を改めて思い知らされることになる。そのタルカの野望によって、事態は急変し、10-Cとの交流は最初から振り出しに戻ってしまうのであるが、リノの誘拐が原因で事態が悪化していることがわかったのは、物語的にまだ救いがあるかなと思う。次回はいよいよ最終回で、どう物語に決着をつけるのか、楽しみである。
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