レビューの詳細は、ナイブス・アウト:グラス・オニオン(DOLBY VISION/Netflix)/Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。名探偵ブノワ・ブランが誕生し、大ヒットを記録した「ナイブス・アウト:名探偵と刃の館の秘密」のシリーズ第2弾になったのが、この「ナイブス・アウト:グラス・オニオン」である。第1作目は劇場公開作品であったが、シリーズ続編の配給権をNetflixが獲得してしまったために、インターネットでの配信作品になってしまった。しかし、アメリカでは大手チェーン映画館で1週間だけ劇場公開され、その時にかなりの興行収入を得たことから、アナリストたちは、「この続編が限定公開ではなく、通常の劇場公開作品だったら、第1作目と同じぐらいのヒットを記録しただろう」という分析を見せている。
物語は、大企業アルファ社の経営者であるマイルズが出資している知人たちを呼び寄せたパーティーの席で殺人事件が起こり、その場に居合わせた名探偵ブノワが事件解決に向けて調査・推理していくというもの。しかし、物語は他のミステリー物と違い時間軸通りに進むのではなく、物語前半で登場人物の思惑を描き、後半で過去に戻って殺人事件が起こるきっかけとその前振りの展開を描くというかなり捻った時間軸でのミステリーになっている。
そのため、結構新鮮な印象で映画を見ることができる。マイルズの開催するパーティーにはブノワは招待されていないのだが、ブノワはなぜかパーティーの招待状を持っていて、そのためにパーティーに参加できるのだが、それをはじめとして物語前半で後半に向けての伏線が至る所に張り巡らされているので、「単調だな」と思っていた前半も注意深く見ていないと後で謎解きの面白さが減じてしまう。
そして、後半の意外な展開と、真犯人の正体、その真犯人を降参させる事件など、結構怒涛の展開になっており、クライマックスは「ブノワは活躍していないじゃん」と思わせるほど、ブノワは何もしていない。真犯人を追い詰めるのはある登場人物であり、その人物がキーである。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されており、ネイティヴ4Kでの配信なので高精細かつ素晴らしい明暗の色調が楽しめる。映像がリアリティを持っており、没入感が高い。音響もDOLBY ATMOSであり、サラウンド効果が高いため、結構楽しめる作品である。
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