あらすじ
ヴァーディクの乗るシュライクに攻撃されているタイタンの中で、ピカードはジャックが自分の息子であることを確信する。そのためにヴァーディクにジャックを引き渡すことを拒否し、シュライクから逃げ出そうとするが、シュライクの追跡は執拗だった。星雲の中に入ってセンサー類を撹乱したタイタンは、一時的にシュライクの追跡を振り切るが、すぐにシュライクはタイタンの前に現れ、攻撃を仕掛けてきた。攻撃を受けたタイタンはショー艦長が負傷し、ショー艦長はライカーを艦長に指名する。ピカードはビバリーと対面し、なぜ、ジャックのことを自分に知らせなかったのかを詰問するが、ビバリーにもピカードの行動原則を見抜いていたからジャックのことを知らせなかったと反論する。タイタンは破損したワープエンジンの修復も終わり、星雲を抜け出て近くの基地に逃げ込もうとするが、星雲を抜け出る前にシュライクが現れ、時空を歪める装置を使ってタイタンを星雲から出さないようにしていた。その頃、テロ組織を追っていたラフィはフェレンギの仲介人との会談で危機に陥っていたが、クリンゴンのウォーフが彼女を救っていた。実はラフィに行動指示を出していた連邦の情報部の当人がウォーフだったのである。ウォーフとラフィは、連邦の基地を破壊した真犯人を追い詰め、尋問することになるが、その人物は意外な正体を表す。そして、その人物と繋がりのあるものがタイタンにいて、連邦を裏切ろうとしていた。シュライクがタイタンを追い詰める原因を突き止めたジャックとセブンは、その原因を解消しようとするが、裏切り者の策略により失敗し、ピカードの主張するシュライクへの攻撃も失敗し、タイタンは星雲の中の重力の井戸に落ちていく。
感想
シーズン3の第3話は、かなり話が複雑だし、人間ドラマにアクションシーン、意外なミステリーなど存分にバラエティ豊かなエピソードになっている。第2話のラストでジャックがピカードの息子であることが判明したのだが、この第3話では、母親であるビバリーとピカードとの直接会話によって、それが真実であることが明らかになる。この二人の愛情は「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」でもしばしば描かれていたが、結局一度は結ばれたものの、別れてしまったというテレビや映画では描かれなかったエピソードが語られ、20年ぶりの続編という時間の重みを感じるところである。一方でシュライクの攻撃を受けて負傷したショー艦長の代理として、タイタンの艦長に就任したライカーとピカードはシュライクへの対応をめぐって意見の相違が見られ、この二人の緊迫したやりとりが見どころの一つでもある。この二人の過去のドラマでは少しだけディアナ・トロイも登場するので、ファン的に嬉しいサービスだと思う。そして、そして第2話で少しだけ登場したウォーフがラフィと本格的にデイストロームから盗み出された何かを探索すべく、協力しあって調査を続けるという展開に胸熱くなる思いである。その調査途中で登場する真の敵は、まさかの一言に尽きる。その敵はタイタンにも潜入していて破壊工作を繰り広げるのだから、まさに過去のスター・トレック・シリーズを見ている人にはサービスとしか言いようがない。この第3話では絶望的なラストで終わるのだが、次はどう巻き返すのか、気になるところである。
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