レビューの詳細は、バニシング・ポイント(Blu-ray)/日本盤Blu-rayで観た映画のレビューを参照のこと。
2023年3月3日よりリバイバル劇場公開を果たしているこの「バニシング・ポイント」、4Kデジタルリマスター版での公開ということもあってか、気にはなっていたのだが、折からの花粉症と冬から春への季節の変わり目で体調が思わしくなく、映画館に出かける気力がなかったのと、色々調べたら日本盤のBlu-rayが廉価盤になって1000円という破格値で売られていたこと、配信がされていなかったこともあって、久しぶりに日本盤Blu-rayで視聴してみようと思って、購入をしてみたのが今日の鑑賞につながっている。輸入盤Blu-rayも売ってはいるが、入手まで時間がかかるのと、値段が日本盤の倍していたのであえて輸入版は買わなかった。
これまで輸入盤DVD/Blu-rayで視聴した映画のみのレビューを書いていたのであるが、近年配信が主流になって配信中心の映画視聴に変えている途中で配信映画のレビューも書くようになって、日本語字幕があることが当然になってきたのも、日本盤のBlu-rayで視聴し、レビューを書く気になった一因である。それに、実は香港映画やアニメを中心にいくつか日本盤を買っていて、それらに今まで一切手をつけていなかったのであるが、いづれはそれらのレビューも書きたいなと思って、今回、日本盤で映画を視聴してレビューを書いてみた。
映画自体はアメリン・ニューシネマの流れにある作品だと思う。主人公の行動動機が今一つわかりづらいところがあるのと、ラストが余韻も何もなくブツっと終わるところなんかは、まさにそれである。これは日本語字幕で見ていても主人公の行動動機が見えづらいので、英語字幕で英語音声を聞いてみていても、理解はしづらかったと思う。主人公の行動動機はわかりづらいが、体制からの自由を求めて暴走しているかのようには思える。1971年という時代背景では、体制からの脱却というのは、テーマとしてありうると思っている。
映画自体はラストの手前までは結構音楽も軽快で、ノリにノレる作風になっているので、その分ラストの終わり方は唐突感はある。その唐突感が逆に印象を強くする終わり方になっていて、アメリカン・ニューシネマらしいエンディングだなと感じている。
映像はBlu-rayなのでHD画質なのであるが、古い映画なので解像度的にはそんなに不満は感じない。高精細になってもそんなに作風が変わるわけでもなさそうではある。色彩管理について言えば、乾いた色調だなと感じるところはある。
音響は劇場公開時にはモノラル音声トラックだったが、おそらくDVDリリース時に5.1chにミックスし直しているのだろうと思う。今回のBlu-rayはdts HD-MA 5.1chのサラウンド音声になっている。環境音がサラウンドすることはないのだが、カーチェイスシーンでの車やバイクの移動感はそれなりにあり、そこが作品を面白くしている感はある。
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