レビューの詳細は、ENTER THE DRAGON(4K UHD Blu-ray)|燃えよドラゴン|輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。
ここ最近、ブルース・リーの主演作の4K UHD Blu-rayを順次鑑賞しているが、真打ち登場な作品が、この「燃えよドラゴン」である。2023年11月23日から11月30日まで劇場公開版の4Kデジタルリマスター版が劇場限定公開されるが、その前にホームシアターで4K UHD Blu-rayでSpecial Edition版を鑑賞してしまった。
劇場公開版を劇場で見たい気もするのだが、他の用事もあり劇場に行けるかどうかわからないのでホームシアターで見てしまった。その感想だが、やはりブルース・リーの最高傑作である「燃えよドラゴン」はすごい、というのが実感である。
映画本編が始まる前にブルース・リーの奥様であられるリンダさんのイントロダクションが入っているのだが、彼女が言うようにブルース・リーが意図した映画を完全な形で見ることができるのはホームシアターならではの利点である。劇場公開版からカットされた哲学的会話が元に戻ったことで、ブルース・リーの意図した映画に仕上がっていて、単なるカンフーアクション映画だけではなく、まさに人生哲学的内容まで含む奥深いストーリーになっている。
また、この映画だけはワーナー・ブラザースが世界配給を意図して制作したため、セリフのほとんどは英語であり、ブルース・リーの肉声が唯一聴ける作品になっているのも、大きなポイントである。他の出演作は吹替されているので、ブルース・リーの肉声は聞けない。そこが大きな利点である。
ブルース・リーの他の出演作は「BRUCE LEE at GOLDEN HARVEST」というイギリスでリリースされた4K UHD Blu-ray Boy Setで鑑賞しているが、「燃えよドラゴン」だけはこのBox SetではBlu-rayのHD画質で収録になっているので、4Kで見られるのはワーナー・ブラザースのディスクのみになっていて、配給権絡みの問題が露呈している感じではある。
映像は4K/HDR10で収録されていて、解像度という点では映画前半はシーンによってばらつきがあり、シャープな映像もあればピンボケの映像もありで4Kの恩恵をあまり感じないのだが、後半に行くにつれ、シャープで精細感のある映像になっていくのは魅力的である。HDR10による色彩表現は素晴らしく、これまで見てきたDVDやBlu-rayの色彩はなんだったのか、と言わんばかりの鮮やかな彩度で表現されている。
音響はDOLBY ATMOSで収録されていて、ラロ・シフリンのサウンドトラックメインの三次元サラウンドではあるが、実は細かい効果音が三次元のあちらこちらに仕掛けられていて、予想以上に没入感を感じさせるところがある。1973年の音声なのでナローレンジなのだが、その制限を感じなければなかなか立派なサラウンドである。
劇場公開版を劇場に見に行ける都合がついたら、見に行きたいと思うが、まずはホームシアターででも鑑賞できたので満足である。
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