あらすじ
セトリスは異星人が作った巨大構造物に来ていた。そこは、ヴェクシロンというコンピューターによって環境が制御され、住民たちは快適な暮らしを過ごしていた。
しかし、ヴェクシロンの調子が悪くなり、天候が悪化したりしていた。そのため、連邦を呼んでヴェクシロンの修理を依頼したのである。フリーマン艦長は副長と共にヴェクシロンのもとに行き、コンピューターの調子が悪いのを確認して、自らヴェクシロンの修理を行う決意をする。
ボイムラーは、ティ・リンや他の下士官たちと巨大構造物のエンジンに来ていた。エンジンからシリンダーを抜き取るのが仕事である。中尉になって初めての任務になるボイムラーは他の下士官たちの手本になろうと、自らシリンダーを抜き取る仕事を行なってしまう。そのため、下士官たちは何もすることがなかった。
マリナーたちは、上官であるダークから、セリトスのコンピューターチップの不良を見つける作業を言いつけられる。センサーで調べればわかる仕事をわざわざ手作業で調べさせられるハメになった3人は、不満たらたらである。
ヴェクシロンの修理を行っていたフリーマン艦長はヴェクシロンのOSが古いのが原因と判断し、アップデートをかけるが、途中でOSがフリーズし、ヴェクシロンがコントロールしていた環境制御が完全に狂ってしまった。そのため、巨大構造物は異常気象になり、住民たちは大混乱に陥る。
フリーマンは打開策を得るためにビラップスを呼ぶが、結果的にボイムラーのいるエンジンの方にヴェクシロンの電源を切り替えて、初期化するしかないことに気づく。ヴェクシロンの初期化を実施するためには取り外したシリンダーを元に戻す必要がある。ボイムラーは、下士官たちに中尉としての指示としてシリンダーをエンジンに戻す作業を命じる。
セトリスの中でチップのチェックをしていたマリナーたちは、ダークに嫌がらせをしようと、迷宮の中に入り込むボックスを彼の部屋に仕掛ける。しかし、ダークがかつてその迷宮に入り込んで苦労したという話を聞いて、仕掛けた罠を早急に取り除こうとする。
感想
今回の話は、異星人の作ったコンピューター、ヴェクシロンが異常な動作をするので修理をしようとして、かえって異常がひどくなるというドタバタ劇である。しかもそれを引き起こしているのがフリーマン艦長なので、笑える話ではあるが、「ローワー・デッキ」ではない「スター・トレック」では笑えない話になってしまう。「ローワー・デッキ」という登場人物全員が笑いをとるキャラだからできるエピソードである。
そして、ボイムラーが中尉になって初めて部下を持って任務に臨むという成長物でもあるが、こちらもボイムラーの性格が災いして、全然ボイムラーが成長しないというギャグになっている。しかし、クライマックスでは一応は成長するので、ボイムラーもやる時にはやる物である。
そして、マリナー、テンディ、ラザフォードは、上官であるダークの意地悪にハマってチップのチェックを手作業で行うハメになり、ダークに仕返しをかけるが、実はダークはその仕返しのためにかつて酷い目に遭っていたことがわかり、仕返しをやめるという人情物である。それもラストでは意外な事実が明らかになり、ダークはやはり酷い人だと判明するのだが。
このエピソードでは謎の異星人の攻撃は描かれなかったので、次回以降の展開に期待したいが、今回のエピソードも「スター・トレック:ローワー・デッキ」らしい爆笑エピソードだった。
コメント