レビューの詳細は、YOUNG GUNS(4K UHD Blu-ray)|ヤングガン|輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。
映画のジャンルとしては絶滅寸前の西部劇の中で、有名なアンチヒーローであるビリー・ザ・キッドを主役にした映画は何本も作られているが、この映画もその中の一つである。ただ、他の映画と違うのは、映画が制作された1988年当時人気のあった若手俳優たちを集結させたのと、当時も絶滅寸前だった西部劇を作り、ヒットさせた作品である、ということにある。
僕自身はこの映画は輸入盤DVDは所有している。輸入盤Blu-rayではなく、DVDにしたのは、ディスクレビューで「ブルーレイは画質がDVDより悪い」という話を読んだのと、この「ヤングガン」がヒットしたことで続編の「ヤングガン2」が作られたのだが、「ヤングガン2」はBlu-rayがリリースがされず、ディスクのコレクションをするにはDVDの方が統一性があると考えたからである。DVDで見てからすでに10数年以上経過しているが、昨年末に4K UHD Blu-rayが輸入盤でリリースされたので購入し、今日、ようやく鑑賞し直した次第である。
輸入盤DVDを見た時にも感じたのだが、エミリオ・エステヴェス演じるウイリアムの狂気に満ちた行動は、結果的に主役級キャラクターを破滅の道へと進ませるだけになっていて、ウイリアムがいなければ別の事態になっていのかも、と思わせるだけの存在であった。聞いた話では実在のビリー・ザ・キッドに一番近いキャラクターになっていたのはエミリオ・エステヴェスがこの映画で演じたウイリアムらしい。そう考えると、実在のビリー・ザ・キッドはかなり危ない人物だったと言わざるを得ない。
その一方で、ウイリアムに引きずられていくレギュレーターと呼ばれる若者軍団のまともさは、見ていて気持ちいいものがある。なので、余計にウイリアムとの対比が鮮明に出てしまう。レギュレーターのリーダーだったディックがウイリアムと対立するのは当然という気がする。
この4K UHD Blu-rayは、35mmフィルムから4Kマスターを作っているので、ネイティヴ4Kでの収録であるが、35mmフィルムの状態によるのか、ビデオマスター作成時にノイズリダクションをかけすぎたのか、思ったほど精細感はでていない。精細感のあるシーンもあるのだが、甘い解像度のシーンもあり、少し期待はずれっぽいところはある。DOLBY VISIONの色彩表現は、乾いた大地であるニュー・メキシコの雰囲気をよく出していると思う。
音響はオリジナルのサラウンドが3-1方式のサラウンドだったものが、DOLBY ATMOSにミックスされ直されている。このDOLBY ATMOSのサラウンド効果は絶大で、1988年当時の音質ながら、映画に没入できる音場感を生み出している。オブジェクトとしての馬や野良犬の移動感とか配置も抜群で、臨場感にあふれている。
日本では今後も4K版がリリースされることはないだろうから、この映画を見たい人は、輸入盤の購入しかないが、購入する価値はあると思う。
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