ニュータイプ研究所の洗脳を受け、元の強化人間プルトゥエルヴになってしまったマリーダと、バナージの戦いが物語の核心だが、その前にネオジオンの貨物船ガランシェールの艦長ジンネマンの独断行動が今回の戦端の発起になる。ここにいたって、物語は大きくうねりを出し、敵味方という概念が次第に覆ってきているような気がする。これまで連邦=味方、ネオジオン=敵だったものが、一旦逆転し、本巻では敵=マーサ・カーバイン・ビスト、アルベルト・ビストというように意味合いが変わってきているような気がする。そしてラプラスの箱の秘密を知っているリディの立ち位置も微妙になってきた。旧作のファンとしては、ブライト艦長の活躍と、まさかのベルトーチカの登場あたりがニヤリとさせられるところかもしれない。それを受けての物語展開だから、敵味方が一緒になるのが当然のように思える。
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