アーネスト・クライン著「ゲームウォーズ(下)」SB文庫

2018年の春にスティーヴン・スピルバーグが監督をする映画「Ready Player One」の原作本「ゲームウォーズ」の後半に当たるのがこの下巻である。下巻ではハリデーの残したイースター・エッグである3つの鍵の入手をめぐる展開と、主人公たちの命を狙ってでも鍵を取っていこうとするシクサーズとの戦いがメインになっている。第2の鍵では出遅れたウェイドが、仲間でもあり、ライバルでもあるエイチやアルテミス、ショウトウといった面々と共闘し、第3の鍵を巡ってシクサーズと全面戦争に出る様が壮大に描かれている。しかし、その戦いも上巻と同じく、1980年台のサブカルチャーのアイコンをメインにしたキャラクターたちが総動員して出てくるので、なんか頭がクラクラしてくる。ウルトラマンに始まり、ガンダム、挙げ句の果てには日本で放映されていた東映版「スパイダーマン」の搭乗するロボット、レオパルドンまで出現するので、作者のオタクぶりのすごさにびっくりする次第である。ただ、展開そのものはロールプレイングゲームそのものなので、読んでいて快感は感じる。ウェイドがどうなるかはまあ収まるところに収まったかなと思わなくもないが、読んでいてスカッとするストーリーであることは間違いない。映画版ではどこまで原作と同じになるのかわからないが、期待してもいいだろう。

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