35年前に製作され、未だに人気を誇る「機動戦士ガンダム」。その製作秘話をなんとギャグ漫画として振り返ったものがこの「ガンダムを創った男たち。上巻」である。ギャグ漫画なので、富野監督を始め、安彦良和氏、大河原邦男氏など、ガンダムにかかわった人たちがかなりデフォルメされて登場している。とは言うもののギャグではあるが実際のエピソードを元にしてあるので、読んでいて飽きがこない。この上巻では、企画の段階からテレビシリーズ本放送時のエピソード、映画化への布陣などが描かれていて、興味深い。富野監督がつるっ禿なのは今であって、35年前じゃないだろうとか、安彦氏が2枚目すぎるとか、大河原氏が工場のおっさんって何やねん、と異論は色々あるだろうが、ちょうどテレビシリーズのBlu-rayを見ている身としては、裏エピソードが効果的に描かれていると思う。なんでこの「ガンダム」が今でも人気を保っているのかというと、やはり漫画の中で描かれているように人間ドラマをきちんと描かれているからであろうと思う。それは声優たちでも同じで、古谷徹氏や、池田秀一氏のエピソードは、興味深いものがある。下巻は映画化についての攻防になると思われるが、この漫画は買いだと思う。
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