下川裕治著「週末沖縄でちょっとゆるり」朝日文庫

格安旅行取材や、アジア関連の書籍でファンも多い下川裕治の最新作は、アジアの中でも最も敷居の低い「沖縄」をテーマにした「週末」シリーズである。休日、沖縄を訪れる際にチャレンジしてみるにいいテーマがずらりと並んでいる。その中で、昔食べた沖縄そばを追い求める旅や、カチャーシーにチャレンジしてなかなかうまくいかない話など、全般的にゆったりとした時間が流れるようなエピソードが多い。今まで沖縄関連本であまり語られなかった波照間島に関する章など、思わず「行ってみたい」と思わせる内容になっている。しかし、おん歳60歳に近づいている下川裕治が20年近く沖縄に入れ込んでいるという話は、彼のアジアに対する感覚を沖縄にも感じ取っているということでもあり、その辺がよく表れていると思う。本の中には写真を担当している阿部稔哉氏の独立したページがあったり、知人でもあり沖縄移住者である仲村清司氏の章もあったりで、多少これまでの「週末」シリーズと異なる部分もある。とにかく、沖縄好きなら読む価値のある本だろうと思う。

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