Appleを世界的大企業に押し上げた、稀代の天才、スティーブ・ジョブズの生涯を綴った伝記物の後半本。ジョブズがAppleに返り咲いてから、iMac、iPod、iPhone、iPadの開発秘話に始まり、Apple store、iTunes、App Storeの開発まで、余すことなく話が描かれている。1巻を読んだときには、「ジョブズって嫌な奴」という印象が強かったが、2巻である今作では、その印象が薄れていって、ジョブズの天才ぶりが目につくようになる。それは、復帰後、ジョブズの周りを取り巻く人たちが、ジョブズの欠点をカバーするように行動できる人たちになっていたことが大きいと思う。現在のAppleの経営陣であるティム・クックやジョニー・アイブ、奥さんであるローリーンなど、ジョブズに忍耐よく付き合える人々に出会えたことが、ジョブズの才能を発揮する要因であると思う。とにかく、「シンプル」を追求するジョブズの思考には、感心させられること請け合いである。Appleの理念に同意できるところも多いし、自分の使っているApple製品になぜ惹かれるのか、その秘密がわかるような気がする。Appleの統合型製品群の考え型の方が、利便性は高いと思う。とにかく、内容的にかなり面白く、Apple製品を使っている人には、共感を覚えるのではないかと、読後の感想を持った。
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