レビューの詳細は、AMERICAN SNIPER(Blu-ray)/アメリカン・スナイパー/輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。実在のネイビー・シールズの狙撃手、クリス・カイルの自伝をハリウッドで長らく活躍する監督、クリント・イーストウッドがブラッドリー・クーパーを主演に備えて映画化したのが、この「アメリカン・スナイパー」であるが、イラク戦争で狙撃手として160人ものテロリストを狙撃し、テロリストから悪魔呼ばわりされた主人公の戦場での存在感と、その一方でのアメリカでの家庭人としてのダメさ加減を描いた秀作であると感じる。アカデミー賞で音響編集賞を受賞しただけあって、Blu-rayでのDOLBY ATMOSは圧倒的な戦場の空間を表現するのに成功している。冒頭の戦車の移動シーから始まって、テロリストとの銃撃戦などで、イマーシヴ・オーディオとしての再現力に驚きを感じ得ない。その分、物語がクリス・カイルの心情を描くのに少しスポイルされている感もあり、彼が戦場で心を壊されていく中、その戦場での立ち位置と、アメリカでの家庭人としての失格さが、微妙に描き足りない感はある。ただ、映画としてはテンションが持続する展開になっており、作品に引き込まれるところはある。サラウンド環境のある人は、是非とも鑑賞いただきたい作品である。
コメント