レビューの詳細は、フィンチ(4K UHD/Apple TV+)/Apple TVで観た映画のレビュー を参照のこと。トム・ハンクスの主演映画としては「グレイハウンド」に続き2作目のApple Original Filmsでの作品となったのが、この「フィンチ」である。2028年に太陽フレアの影響でオゾン層が破壊され、強力な紫外線が降り注ぎ、人類の大半がそれによって死滅してしまった後の物語である。生き延びている技術者のフィンチは、セントルイスのスーパーに移動して、一緒に行動するロボットのデューイと愛犬のグッドイヤーと共に、食糧調達に励んでいたのであるが、セントルイスに留まるのも危険と考え、新たにロボットのジェフを組み立て上げ、サンフランシスコに移動して安住の地を得たいと思うようになり、ロボットや犬と共にサンフランシスコに旅に出るという物語である。世界の大半が死滅した世界を描いているだけあって、登場人物がフィンチとロボットのジェフ、デューイ、犬のグッドイヤーの4名だけという思い切りの良さで、孤独な旅路を描くものになっている。そんな中でもロボットのジェフに対し、人間らしい教育を施していくフィンチの姿には心打たれるものがある。ジェフも次第に人間とは何かを学んでいく。彼らが無事にサンフランシスコに着けるかは物語の肝だが、意外なラストには、心打たれるものがあるはずである。映像は4K/DOLBY VISIONで、おそらくネイティヴ4Kでの収録になっていると思う。ロケーションの良さもあるのだろうが、荒廃した地上の雰囲気がよく色彩で表現されていると思う。コントラストの良さが画面から滲み出している。音響はDOLBY ATMOSで、主人公たちを度々襲う砂嵐が、観客を取り囲むようなサラウンド効果を出していて、刺激的である。また、グッドイヤーの吠え声などが移動しながら聞こえるなどの効果も発揮している。
コメント