映画「黒いジャガー」(輸入盤4K UHD Blu-ray/CRITERION)

レビューの詳細は、SHAFT(4K UHD Blu-ray/CRITERION)/黒いジャガー/輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。1971年に公開された、黒人を主役に持ってきたアクション映画の金字塔が、この「黒いジャガー」である。過去には輸入盤DVD、輸入盤Blu-rayでも鑑賞しているが、今回、なんとCRITERION COLLECTIONで4K UHD Blu-ray化されると聞いて、改めて購入し、鑑賞した次第である。過去に輸入盤DVD、輸入盤Blu-rayでも見ているのだが、ストーリーは結構忘れていて、意外と新鮮な気持ちで鑑賞することができた。ストーリーは黒人私立探偵ジョン・シャフトがハーレムに君臨する犯罪者バンピーの誘拐された娘を救出するために行動を起こすが、その過程でイタリアン・マフィアと黒人犯罪者との人種対立の問題にまで拡大してしまう、というものである。1971年という時代背景を考えると、結構革新的映画だったのではないかと思うが、とにかくシャフトがかっこいい。彼を見ていると事件は必ず解決する、という安心感を感じてしまう。

また、1970年代の廃退したニューヨークの街並みがフィルムに捉えられており、ニューヨークという街そのものがもう一人の主役であると実感する。信頼の高画質を誇るCRITERION COLLECTIONからのリリースということもあり、映像は魅力的である。

音楽はアイザック・ヘイズが担当し、テーマ曲である「黒いジャガーのテーマ」は、お気に入りの曲になっている。映画全般の音楽は素晴らしく、1972年のアカデミー賞では「黒いジャガーのテーマ」が歌曲賞を受賞しているぐらい出来がいい。

画質は前述の通り、信頼の高画質を誇るCRITERION COLLECTIONだけあって、4Kの高精細な映像が堪能できる。マスターが35mmフィルムなので、映像には細かいグレインノイズが乗り、それが高精細感を高めているが、シーンによってはオリジナルネガがダメージを受けているようで、デュプリケートしたネガからテレシネを行なったシーンもあり、ところどころボケたシーンもある。でも、輸入盤DVDや輸入盤Blu-rayをリリースしたWarner Home Videoよりも高画質ではあると思う。DOLBY VISIONによるHDRも効果があり、ニューヨークの街並みのリアルさや、夜のシーンの暗いシーンでのつぶれそうでつぶれない階調性がHDRの効果を発揮しているといえる。

音響はオリジナルのモノラル音声も収録しているが、4K UHD Blu-rayの初期設定音声は、アイザック・ヘイズの作った音楽だけステレオ化したPCM 2.0chステレオになっている。これはCRITERION COLLECTION独自の製作であり、アイザック・ヘイズの息子であるアイザック・ヘイズ IIIの監修のもと製作されている。そのため、音楽のステレオ化による効果は魅力的である。ただ、効果音やセリフはサラウンド化されているわけではなく、モノラル音声のままなので、そこは注意が必要である。

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