レビューの詳細は、THE WAY OF THE DRAGON(4K UHD Blu-ray UK)|最後のブルース・リー/ドラゴンへの道|輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。
イギリスのArrow Video UKからリリースされた「BRUCE LEE at GOLDEN HARVEST」BOXセットの4K UHD Blu-ray収録の4作目に当たるのが、この「最後のブルース・リー/ドラゴンへの道」になる。作品としては主演第3作目であるが、「ドラゴン危機一発」の「マンダリン・カット」を1作としてカウントすると4作目になる。
この映画は制作、監督、脚本、武術指導、主演と複数の役割をブルース・リー自らが担当したことにより、ブルース・リーのワンマン映画になっているが、話自体は意外と明るく軽い展開のアクション映画になっている。話は、ローマの中国料理店の経営を乗っ取ろうと嫌がらせを続けるイタリアン・ギャングに対抗するために、ブルース・リー扮するタン・ロンがローマにやってきて、イタリアン・ギャングと対峙するというスケール的には小さい話ではあるが、ブルース・リーが輝くようにストーリーが練られているため、視聴者は主役であるタン・ロンに親しみを感じるようになっている。
それは視聴者だけでなく、中国料理店のオーナーであるミス・チェンや店員たちも同様で、最初は香港の田舎者として呆れられていたタン・ロンが、ギャングたちをあっさり対峙すると手のひら返したかのように彼に親しみを感じ、頼るようになる、という展開に反映されている。
一方でタン・ロンが対峙するイタリアン・ギャングたちも次第に暴力がエスカレートしていき、最終的には凄腕の格闘家たちをかき集めて、タン・ロンにぶつけるという行為に出てしまうところは、アクション映画っぽくて好きである。特にタン・ロンとクライマックスで対峙するチャック・ノリス扮するコルトとの死闘は、この作品の名場面として記憶されていてもいいのではないかと思う。
映像は4K/Dolby Visionで収録されているのだが、そもそものマスターフィルムの状態自体があまり良くないのか、4Kで収録されているにしては画質は思ったほど良くはない。シーンによって差はあって、ローマのロケシーンは画質が悪いが、香港のスタジオ収録のシーンはそこそこ綺麗な映像を見せてくれる。
音声はdts-HD MA 1.0ch 標準中国語であるが、1972年の音声を考えてもワイドレンジである。モノラル音声ではあるものの、臨場感という意味では結構ある。ただ、標準中国語音声とはいってもイタリアン・ギャングたちは英語を喋っているので、標準中国語と英語の聞き分けが少々難しく、混乱するところはある。英語のシーンでは英語字幕がでてこないこともある。
コメント